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運動会は春?秋? 秋なら10月10日以降に

増田雅昭気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
(写真:アフロ)

昔は秋の開催が多かった運動会。最近は、春の運動会も多くなってきているようです。天気の面から考えると、いつが向いているのでしょうか?

秋は高温と秋雨

北日本は10月にもなると寒かったり、北海道なら雪が降ったりすることもあり、昔から運動会は春だった所も多いようです。 

それ以外の地方でも、学校行事を分散させるためなど様々な理由で、昔より春の運動会が増えてきています。

秋から春に移す理由で近年多いのが、熱中症です。たしかに、9月に夏休み明けで練習をはじめると、まだ真夏のような日もありますし、今年のように10月上旬でも暑い年があります。

今月4日も、高校の体育祭での熱中症のニュースがありました。

4日午後2時10分ごろ、東京・品川区にある大井ふ頭中央海浜公園の陸上競技場で、高校の体育祭に参加していた女子生徒3人が熱中症とみられる症状を訴えました。(中略)このうち16歳の生徒は一時意識不明になり、病院に運ばれました。

出典:TBS

また、9月~10月上旬は、秋雨前線や台風の影響を受けて、雨の日が多い季節です。どうしても延期や中止のリスクがつきまといます。

体感の面では春だが…

春でも、5月に30℃を超える日もありますが、中頃までなら頻繁には超えません。

気温が上がったとしても、湿度が低く、9月に比べて暑さの質が違います。体感の面から考えると、練習期間の気温をふくめ、春の運動会のほうが適しているように思います。

ところが、最近は、5月の紫外線の強さを気にする人も増えてきています。また、西日本ではPM2.5の飛来を気にして、運動会を秋に戻した学校もあるそうです。

すべての要素を気にしていたら、春か秋か、どちらにも決められません。

秋なら10月10日以降に

地域ごとの天候の特徴もあるので、それぞれで調べは必要ですが、「高温」と「雨」を避けるという条件で考えると、たとえば関東なら、ゴールデンウィーク前後~梅雨が近づく前の5月20日頃までが、春の運動会に適した時期と言えるでしょう。

秋であれば、秋雨期が終わり、高温が出にくくなる、10月10日頃~寒くなる前までが、運動会に適した時期なのではないでしょうか。

1964年の東京五輪で、開会式が10月10日になった理由の一つは、秋雨期が終わる頃だからと言われます。

天候だけで運動会の日程は決められないのかもしれませんが、せめて高温と雨季を避けて、熱中症になる生徒や延期・中止を減らしていただければと思います。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

TBSテレビ・ラジオ気象キャスター。大学在学中に気象予報士を取得し、民放キー局の報道番組に学生予報士として出演。気象キャスターに携わりながら、企業への予報やアドバイザーも長年担当し、甲子園での高校野球の大会本部気象担当を務めたこともある。災害から身を守る気象情報の使い方など講演も行うほか、Twitterで気象情報を毎日発信。著書に『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図(ベレ出版)』がある。1977年滋賀県甲賀市生まれ。

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