これから台風14号が秋雨前線と一体化へ、さらなる大雨や暴風に警戒を
能登北部に大雨特別警報、記録的な大雨と線状降水帯
秋雨前線の活動が活発となっていて、能登半島には次々と活発な雨雲が流れ込んでいます。輪島では、きょう21日(土)午前9時22分までの1時間に、121.0ミリの観測史上1位となる猛烈な雨を観測し、午前10時50分までの3時間に、217.0ミリという過去の記録を大幅に更新するような集中豪雨となっています。輪島市西部、中部、東部には、相次いで5回の記録的短時間大雨情報が発表され、能登地方では午前9時頃から線状降水帯も発生しています。
そしてきょう21日(土)午前10時50分に、輪島市、珠洲市、能登町に大雨特別警報が発表されました。これまでに経験したことのないような大雨となっていて、何らかの災害がすでに発生している可能性が高く、警戒レベル5に相当する状況ですから、最大級の警戒が必要です。(気象庁発表)
これから台風14号位相がやってくる
台風14号は中国大陸からUターンし、きょう21日(土)午前9時現在、黄海を東寄りに、時速20キロで進んでいます。このあと、きょう午後3時には朝鮮半島付近で温帯低気圧に変わり、さらに速度を上げながら、あす22日(日)午前9時には能登半島付近に達する見込みで、この時点での速度は、時速65キロに達している予想です。
台風は温帯低気圧に変わりますが、再発達をし、中心付近の最大瞬間風速は35メートルの状態で、日本海沿岸から北陸、そして東北南部を通り、あす22日(日)午後には、三陸沖へ抜ける見通しです。この台風から姿を変えた低気圧は、日本海沿岸をかなりスピードアップして進むため、西日本から東日本では、台風の風の強い東側(危険半円)に入るような感じとなり、よりいっそう強い風が吹き荒れるおそれがあります。
大雨に暴風が加わる
台風14号位相を取り込んだ秋雨前線はよりいっそう活動が活発となり、東北から九州にかけての広範囲で大雨となるでしょう。最も危険度が高いのは、現在、大雨特別警報が発表されている能登半島で、北陸から東北にかけてを中心に、大雨に厳重な警戒、あるいは最大級の警戒が必要です。
また先述したとおり、東北から九州にかけて、低気圧に近い日本海側では、最大瞬間風速が30メートルから35メートルに達する見込みで、低気圧がやや離れて通る関東でも、地形的な影響で、東京湾周辺を中心に、南風が強まりやすいため、吹き荒れる強風(暴風)に、十分な警戒が必要です。