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有効期限5年の『マイナンバーカード』『電子証明書』の手書きの更新申請に驚いた…

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:名護市役所

つりので、すでに8年経過している。18歳以上はマイナンバーカードの有効期限は10年(18歳未満は5年)なので、まだマイナンバーカードの有効期限に達する人はいないが、『電子証明書』は5年毎の更新が必要となる。

出典:総務省
出典:総務省

https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/03.html


■マイナンバーカードの電子証明書が5年更新が必要な理由は?

なぜ?電子証明書が5年で更新なのか?

電子証明書の安全性は暗号技術により担保されています。有効期間が長くなるほど、コンピュータの性能向上や暗号解読技術の進歩により、使用した暗号の情報が解読されてしまうおそれが出てきますので、電子証明書の安全性・信頼性を維持するため、発行の日から5回目の誕生日までとしています。
なお、我が国と同様の電子証明書を導入している諸外国においても有効期限はおおむね5年です。
https://www.jpki.go.jp/faq/digital_id.html

基本的に、更新の必然性は、セキュリティ機能を維持ということ。しかし、単純に忘れるリスクを考えると、同じパスワードを更新するだけの人が多ければ、その苦労も効果のほどが疑わしい。
また、4桁の『署名用電子証明書』6〜16桁の『利用者証明用電子証明書』では、大文字英語(英数字6~16文字)しか使えないなどの利便性の悪さもある。
自治体側の入力ミスを防ぐために、手書きの申請書からの目視入力のやりやすさから大文字英語になったという本末転倒の仕様でもある。
パスワードに英語大文字数字のみというのも、ハッキングする側からするとこれほど推測しやすいものはない。基本的に記号と大文字小文字をいれたほうが複雑性はます。

■なぜ?更新に書類が必要なのか?

すんなりと、並ぶことなく、窓口に案内されて差し出された申請書をみて驚いたのが、ここでも住所や氏名を書かされたことだ。

行政の合理化も見据えたマイナンバーカード関連の更新で、また書類が増えるのだ。

出典:名護市役所
出典:名護市役所

役所側はこの更新申請書には住所や氏名電話番号が記された書類を取り扱うことにより、個人情報の書類としての、保管コスト、管理コスト、廃棄コストが発生することとなる。
マイナンバーの更新時期も、封書による通知でコストが発生する。
更新の締め切りよりも3ヶ月前から受け付けが可能なので、マイナンバーや、マイナポータルから自身で、パスワードの更新を自分でできれば、1000円ほどの事前ポイントをプレゼントするなどのほうが、結果として安くなるはずだろう。

基本的に『マイナンバーカード』導入で、それにかかる人的コストや物理コストを低減できないと、DX化でコストが高騰し、手間を増えるばかりである。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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