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【小林市】異次元のソフトクリームはホームセンターにあった!

全速嫁タロゥかたつむり型ズボラ嫁ライター(都城市・小林市)

どうも皆様!9月より小林市のクリエイターとなりました全速嫁タロゥと申します。都城市と共に小林市の面白いお話をご紹介できるよう、精一杯頑張ります。よろしくお願いいたします!

さて。小林市を中心に県内での認知度も高いホームセンターと言えば、「ホームセンター山﨑」さん。あのCMソングが浮かぶ方も多いと思いますが、実はそこに入っている物凄くこだわり抜いたソフトクリーム屋さんをご存知でしょうか?お話を伺うと想像以上にパワフルなお店でした!「もう知ってるし行ったことあるある。」という方も、きっと新しい視点をもってお店にリピートしたくなると思います。

まずは「ホームセンターやまさき」さんに向かいましょう。一見どこにも無さそうですが、お店に入ってすぐ左側にそのお店はあります。建物に入ると、目の前は豊富な野菜などがある産直エリア。この日は入口にみかんの詰め放題があって、私の心が惹きつけられまくるところから、取材がスタート。初めて来たホームセンターやまさき(以下山﨑さん)に心が躍ります。

可愛い象さんとライオンさん、そしてポップなカラーリングのお店、こちらが今回の舞台、「テノッセ ベブソフト」さんです。皆様この正式名称、ご存知でしたか?実はベブソフトのオープンには壮大な人間ドラマがあるのですが、それはまた後程。

期待値MAXで食べてみた!

メニューはこちら。想像以上にたくさんの種類があって決めるのに時間がかかります。でも今回は季節限定の「ぶどう」のソフトクリームを注文!やっぱりここは限定をいっておかないと。

ベブソフトのスタッフ深瀬さんの素晴らしい手さばきで、くるくるとソフトクリームが巻かれていきます。以前、私も駄菓子屋さこうさんでくるくるをやってみて、見た目以上に難しいことを知りました。さすがプロのテクニック…。まじまじと見つめてしまいますね。

みんなでやろう!「手乗せテノッセ!」
みんなでやろう!「手乗せテノッセ!」

来ました!手乗せのテノッセ ベブソフト!まさにロゴ通り!目を引くブドウのソースは地元の生産者さんのブドウを使用し、注文毎にソースを作って提供されています。このソースがまた絶品で、ぶどうの自然な味をぎゅっと詰め込んだような、とてもリッチな甘みと、果肉の歯ざわりや香りが口の中を一気に秋めかせます。なんと手の込んだ一品でしょう。

私も「手乗っせ」
私も「手乗っせ」

添えてあるブドウは一つひとつ手で皮を剝いています。思わず「器具で剥かないのですか?」と聞くと「どうしても柔らかいので形が悪くなるんです。なので、営業の合間にずっと手作業で皮むきして作っています。」と笑顔で教えてくださいました。食べるのは一瞬。携わる全ての人の仕事に感謝していただきます。

この日は9月とは思えない真夏日。あっという間に溶けてしまうほどのふわふわなソフトクリームは、滑らかになってくると、泡がモコモコと出てくるではありませんか!気泡がたっぷり入った上質なミルクであることが分かります。ミルクでありながらさっぱり、だけど程よい濃さを感じながらも、牛乳の臭みが全くない!こんなソフトクリームは初めて食べました。

そんな上質なテノッセベブソフトさんのソフトクリームは、なんとあの有名な「ダイワファーム」さんのものを使用!しかしそのこだわりが凄かった。ダイワファームさんのファンが来店すると「こちらにも別店舗ができたんですね!」と言われるそうですが、それがどれだけ凄い事かお分かりいただけますでしょうか?

それはベブソフトのオープンに関わった、全ての人々の異次元の情熱があったからこそ聞ける言葉に他なりません。
では、テノッセベブソフトの深い歴史へご案内しましょう。


てのっせべぶそふと?

テノッセソフトで勤務される深瀬さん(左)。
テノッセソフトで勤務される深瀬さん(左)。

今回お話をお聞かせくださったのはホームセンターやまさきの常務でいらっしゃる、宮内さん(写真右)。実は株式会社 山﨑の常務でありながら、グループであるテノッセバウム、テノッセソフトでも勤務されているという宮内さん。「ユニフォームが3つあるんですよ。あっちこっちで働いてます。あっちで見たり、こっちで見たりするかも知れませんね。」と笑いながら話す姿は、とてもかっこよかったです。

深瀬さんの手さばきは本当に職人的で引き込まれます
深瀬さんの手さばきは本当に職人的で引き込まれます

テノッセとは西諸弁で「一緒に」という意味。その言葉通り、使われる素材は地元小林産にこだわっています。今回のブドウソースに使うブドウは、昨今の異常気象で実が落ちてしまう、いわゆる廃棄品になってしまう勿体ないもの。超完熟状態なので甘みが極限に達していて本当に美味しいのですが、市場に出すことはできません。山崎さんではそれを買取り、ソースとして使用しています。
「生産者さんが一生懸命作っても廃棄なんて、もったいないですよね。ぜひと言って買わせてもらってるんです。農家さんも喜んでくれるんで有難いですね。」

ベブソフトで使うソフトクリームはダイワファームさんのミックスを使用。実はダイワファームさんでは、色々なお店にミックスを提供されているので、他店でその名を見た方もいるかと思います。では、先述の通りダイワファームさんのファンが「支店ができたのか」と勘違いする為のドラマとは?

異次元のバイタリティが集合!

「あれじゃないとダイワファームは再現できないよ?」「じゃあそれにしよう!」その言葉のキャッチボールに宮内さんをはじめとしたスタッフの方々の戦いが始まります。ダイワファームで使用しているソフトクリームの機械はとても特別な物で、宮崎県でもほとんど使用しているところが無い「カルピジャーニ」社のもの!なんとそれは「ソフトクリーム界のフェラーリ」と呼ばれるほどの高価で扱いの難しいサーバーです。

写真右にはしっかりとカルピジャーニの文字
写真右にはしっかりとカルピジャーニの文字

ダイワファームのミックスを使用するならダイワファームのソフトクリームを再現したい。ならばと、株式会社 山﨑の社長である潮崎盛隆さんは、そのフェラーリを使おうと決心します。
しかし時はコロナ禍。海外からサーバーを仕入れるのに困難を極め、社員の中では「やむを得ない」と他メーカーを検討する道も提案されたのですが、潮崎社長のバイタリティはそんなもんじゃひるみません!
なんとカルピジャーニジャパン(東京)へ乗り込み、直接買い付けたのです!これにはカルピジャーニの社員さんもかなりの驚きようだったとか。

オープン時は2000人物来客があったそうです!すごい…
オープン時は2000人物来客があったそうです!すごい…

サーバーが手に入ったとはいえ、まだまだオープンにはすべき事が山積しています。メニュー開発はもちろん、検査や器具の手配、建物自体の準備など、考えるだけで頭から温泉が湧きそうなほどのハードスケジュールでありながら、潮崎社長から宮内さんに与えられた時間はなんと一か月!これには私も思わず口を覆って驚きました。

「あの時の記憶がないくらいもうね、忙しいっていう次元じゃなくて、どうしようとか考えてる暇もないくらい、方々に頭下げてとにかくやらないとっていう感じですよ!今となっては楽しい思い出ですけどね。」と笑いながら当時を語ってくださいます。うんうんと頷いて驚き続ける私。

広報の南埜さん(右)と宮野さん(左)の楽しそうに仕事する姿が輝いています
広報の南埜さん(右)と宮野さん(左)の楽しそうに仕事する姿が輝いています

その歴史の話を一緒に聞く南埜さんと宮野さんは最近入社された社員さん。株式会社 山﨑という会社がどれほど地元を大切にし、どれほどお客様を大事にしているのかを更に実務を通して感じているといいます。

「社長はとにかく凄い人。スピードが本当に凄いんです。やるって言ってからのスピードが物凄いのでついていくのに必死ですけどね。社長は『地域の皆さんの役に立つことがしたい』という思いで仕事をしていて、とても尊敬できる方です。」
そう話してくださる顔はとてもにこやかで、キラキラしていました。お二人が宮内さんの話にも驚かない辺りからも、いっそう潮崎社長の閃きと行動力の凄さを感じます。

オープン時には600個を売り上げたベブソフト
オープン時には600個を売り上げたベブソフト

カルピジャーニを導入して、気泡率と呼ばれる設定もダイワファームと同じに設定、徹底的に「再現」します。ダイワファームのソフトクリームを名乗るうえで「絶対に何かを混ぜ込まないで」というルールに沿い、ミルク感を活かしたソースの開発は再び困難を極めました。
マンゴーもメロンも、ただソースにすると青臭さが出て全く美味しさを感じられなくなり、いわゆる「インスタ映え」するような見た目にするとダイワファームのソフトクリームを全く活かせなくなる。集客と味という言葉の中で宮内さん達は打ちひしがれていました。

そんな商品開発の基本は「野菜売り場に出ているフルーツでソースを作ってね」という潮崎社長の言葉通り、地元の生産者さんが作る旬のフルーツ等を使った物がベース。芋や栗という比較的作りやすそうな食材であっても、その舌触りや固さ、ソフトクリームとのバランス、色彩など、潮崎社長の舌を前になかなかOKは出なかったそうです。
絶対に妥協は許さないし、妥協したくない宮内さん達の戦いがあったからこそ、ファンが勘違いするほどの再現率で、ダイワファームを活かした商品を完成させることができました。

購入は食券スタイルです
購入は食券スタイルです

ところで。ブランド名の「ベブ」とは、西諸弁で牛の事。フランス語に聞こえると話題の小林の方言からとった「テノッセベブソフト」もひと際おしゃれなブランド名です。
ところが、途中からできた「ベブソフト」としてのブランドの知名度が低いのが悩み。これを機に「やまさきのソフトクリーム屋さん」から「ベブソフト」にお耳情報の更新をしていただけると幸いです。しっかりブランドとして看板を背負っています。

テノッセベブソフトのワクワク!

まだまだ、ここでは語り切れない山ほどのドラマを持つ「テノッセベブソフト」。実は今回、リニューアルしてテノッセバウムのような店舗を持つことが決定したそうです!場所はテノッセバウムのそばを予定しているので、ホームセンターに来てバウムクーヘンやソフトクリームも食べられるお買い物スポットとして、今以上にホットなエリアになりそうですね。

現在のメニューからリニューアルに向けて若干絞っていく事も検討中。それにも理由があり、「生産者さんのものを使う。ダイワファームのソフトクリームを提供するという原点に立ち返ろう。」という思いから。決して現在のメニューがそれから逸脱しているとは思いませんが、きっとテノッセベブソフトとしてのブランディングをこれから確立していく中で、必要なステップなのだと思います。

詳細はこれから明らかになるのですが、実はテノッセバウムとのコラボ商品や、子育て世代が安心して来店できるカフェを併設する案など、どんどんアイディアが上がっているそうなので、これはお子様がいらっしゃるご家庭にも朗報ではないでしょうか?地域に何ができるかを常に考えいている山﨑さんですから、きっと素晴らしい施設ができそうです。更なる展開を楽しみにしておきましょう!

●DATE●
 ・場所
宮崎県小林市堤3235-1
 ・電話番号
   0984-23-3038
 ・営業時間
   10:00-18:00
 ・定休日
   木曜日
 ・株式会社 山﨑(9月現在 ベブソフト兼) Instagram

幅広い世代にワクワクを届けてくれる山﨑さん。現在は大人世代が主だという山﨑さんの客層が、バウムクーヘン、ソフトクリームと更に若い世代にも嬉しい展開をみせていくので、これからも目が離せませんね。

ソフトクリームは唯一無二の味わいに心底感動しました。さっぱりしているのに、コクがある、ダイワファームさんの完全再現に成功した独自の味わい。ここに至るまでの歴史を感じながら、ベブソフトを食べに山﨑さんへご来店いただきたいです。秋が深まっても日中はまだ暑い。ベブソフトの出番はまだまだ続きますよ!

※取材では株式会社 山﨑様より、ベブソフト(ぶどう)のご提供をいただきました。本記事制作にあたっては、ガイドラインに基づき公平中立に制作しております。

かたつむり型ズボラ嫁ライター(都城市・小林市)

宮崎県内からの『プチ移住』で都城市にやってきた、夫マンと保護犬2名の家族を見守る全速嫁タロゥと申します。食べる事、フルーツ、動物、自然が大好き、まんまる女。髪をレインボーに染めるのが夢。

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