強い太平洋高気圧で関東中心に40度が続出か、新たな熱帯低気圧は近づけず
強い太平洋高気圧
タイトル画像にある通り、東日本から西日本にかけて、雲の少ない領域が広がっていますが、勢力を強めている太平洋高気圧にスッポリと覆われている状態です。上図で、太平洋高気圧は、おおむね上空の高度5880メートルで表されることが多く、今はそれより強い5940メートルの高度に覆われていて、それだけ暖かい空気に覆われ、地上付近では気温が上がりやすいことを表しています。
なお今後新たにフィリピンの東で熱帯低気圧が発生する予想ですが、この強い太平洋高気圧にブロックされて北上出来ずに、台湾から中国大陸を指向するものと思われます。一方で、中国大陸に上陸した台風3号は熱帯低気圧に変わりましたが、この周辺の際立った暖湿気が梅雨前線や低気圧とともに週明けにかけて北日本へ流れ込む予想で、引き続き、大雨に厳重な警戒が必要です。
ガイダンスでは40度超が続出する計算
強い太平洋高気圧に覆われて、東日本や西日本は、多くの所で体温並み、あるいは体温を上回る猛暑となる予想で、熱中症警戒アラートが広範囲に発表されています。そして、なかでも、関東甲信の内陸や静岡県では、西寄りの風が山越えのフェーン現象を起こし、一段と気温の上がる所がありそうです。
上図はコンピュータがはじき出した最高気温の計算(MSMガイダンスとGSMガイダンス)で、アメダス地点の予想も含むものですが、埼玉、群馬、静岡などを中心に、40度以上が多数予想されています。もし予想通りならば、ことし静岡で記録した40.0度はもちろん、日本の歴代1位の記録、熊谷や浜松の41.1度も視野に入るようなことになります。
気象庁の予想でも39度が続出
気象庁が発表している最高気温でも、浜松、熊谷、秩父、さいたま、甲府で39度が予想され、浜松は2日連続で39度予想となっています。
40度はさておき、体温を上回る危険な暑さがしばらく続きますので、エアコン等により、できるだけ涼しい環境で過ごし、こまめな水分補給や塩分補給を心がけて下さい。涼しい環境で過ごすことができない場合は、衣服を緩めることや重症化等の予防に、皮膚を濡らしてうちわや扇風機で扇いだり、氷やアイスパックなどで冷やすことも対策として考えられます。
また特に脱水状態にある人、高齢者、乳幼児、からだに障害のある人、肥満の人、過度に衣服を着ている人、普段から運動をしていない人、暑さに慣れていない人、病気の人、体調の悪い人などは、熱中症にかかりやすい「熱中症弱者」とも呼ばれています。これらの方々は、自ら積極的に対策を実施し、周囲の方々も声がけの実施をお願いしたいと思います。
北日本は大雨に厳戒
一方、台風3号は大陸で熱帯低気圧に変わりましたが、その周辺の際立った暖湿流の影響で、より強まった雨雲が梅雨前線や低気圧として、次々に朝鮮半島付近から北日本へと流れ込む予想です。雨雲の発達具合によっては、非常に激しい雨や猛烈な雨が降ってもおかしくない状況となります。東北地方では、あす30日(月)にかけて、河川の増水や氾濫、土砂災害、低い土地の浸水に、引き続き、厳重に警戒してください。