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【富田林市】意外な事実!千早赤阪村にある有名な下赤坂の棚田の一部が、富田林市内にあった。

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

南河内地域は山が迫っているところがあるために棚田が多く、河内長野の惣代(そしろ)の棚田や河南町にある持尾の棚田、平石の棚田は、つなぐ棚田遺産に指定されています。しかし、千早赤阪村の下赤坂の棚田は、それに加えて日本の棚田百選に選ばれてもいます。

南河内地域で唯一棚田百選に選ばれ、大阪府でも能勢にある長谷の棚田と2か所しかない村を代表する観光スポットともいえます。四季を通じて遠くから見学に来る人が後を絶ちません。

ここまでの話だと、富田林とは無関係と思うかもしれません。富田林は棚田になるような山も少なそうです。
しかし、そうでは無いのです!ヒントは下赤坂城跡の位置。城跡から見える下赤阪の棚田は、村の西側にあり、その先に富田林市があります。

こちらは、下赤坂の棚田の航空写真です。真ん中に赤線を引いていますが、これは富田林市と千早赤阪村との境界です。これをよく見ると、意外な事実が判明します。

上の航空写真を拡大しました。赤の境界線よりも左、富田林側に明らかに棚田が見られます。住所を確認すると富田林佐備になります。

地図で見るとこうなっています。サバーファームの東にある霊園やスポーツ公園の東側に道がありますが、ここが市と村の境界線と思いきや、実はそこからさらに東に富田林市の市域が張り出しており、棚田の一部も富田林市なのだとわかります。

ただ富田林側からは森に覆われており、道もなく棚田に行ける気がしません。逆に千早赤阪側から棚田に行けるようになっていますね。とはいえ実際に入って富田林市域の棚田に行けるのは所有している農家さんだけだと考えられます。

富田林佐備は旧東条村で、明治22年までは石川郡佐備村だったところ。境界を接した隣は千早赤阪村森屋で、旧赤阪村で、その前は石川郡森屋村とのこと。どういうきっかけでこういう境界線ができたのか興味深いですが、さすがに情報が見つかりません。

では、実際に下赤坂城跡近くにある展望所から富田林市域の棚田を見ることはできるでしょうか?

この位置から見ると、富田林市内にある棚田が見えるようです。画像左上、森の様な小山が見えてその上のほうに棒のようなものが見えますが、あれが富田林市立総合スポーツ公園多目的球技場やテニスコート、バッファローズスタジアムあたりと考えられます。

上の写真の一部を拡大しました。小山のように見える森のあたりのすぐ下に広がる棚田、どこまでかはわかりませんが、確実に富田林市域のものが含まれていると考えられます。

いずれにせよ日々成長している田んぼの稲が、やがて茶色く色づいて稲刈りが行われ、また次の都市に田植えが行われるわけですね。

下赤坂の棚田は本当に美しいので、ぜひ見に行ってほしいですが、その中に実は富田林市内が含まれていると思ってみると、また違った見方ができるのではないでしょうか

富田林市内にある下赤坂の棚田の一部
住所:大阪府富田林市佐備
アクセス:近鉄富田林駅からバス消防文署前バス停下車徒歩10分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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