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全米プロ出場者リストにウッズ&ミケルソン、ノーマンの新ツアー初戦には70名申請で、ゴルフ界混迷!?

舩越園子ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授
(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

公の場から姿を隠していたフィル・ミケルソン(51歳)が、ついに動き出し、グレッグ・ノーマンの新ツアーにも、ついに具体的な動きが出始めた。

次なるメジャー大会、全米プロ(5月19日~22日)を主催するPGAオブ・アメリカは、24日(米国時間)、現段階の出場者リストを発表。そこには、ミケルソンの名前が載っていた。

ちなみに、リストにはタイガー・ウッズの名前も載っているが、ウッズ側からは発表はなく、ウッズが本当に出場するかどうかは不明。しかし、ミケルソンの出場に関しては、ミケルソンの代理人を務めるスティーブ・ロイ氏が、ミケルソンが現段階で考えている今後の出場試合を記した声明を出した。

その声明には、全米プロ、全米オープン(6月16日~19日)と並んで、ノーマンが率いる新ツアー「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」の初戦となるロンドン大会(6月9日~11日)が記されていた。

ミケルソンは今年2月にPGAツアーとノーマン側(サウジアラビア側)の双方に対して侮蔑的な発言をしていたことが大きな問題となり、スポンサー契約をほぼすべて失って、身を潜めていた。

「欲深い人々」という言葉を投げつけたPGAツアーには、もういられなくなるのではないかと見られていた一方で、ノーマンのバックにいるサウジアラビアの投資ファンド等に対しても「恐ろしい人々」という言葉を発し、ノーマンからも「残念な発言だ」と言われていた。

ミケルソンが今年出場した大会は1月のファーマーズ・インシュアランス・オープンとサウジ・インターナショナルの2試合のみ。その後に発言が問題視され、「しばらく休養したい」という言葉を残して、身を潜めていた。

4月のマスターズにも出場しなかったが、その理由については、複数の米メディアは「オーガスタ・ナショナルから来ないでほしいと強く言われたため」としている一方で、オーガスタ・ナショナルのフレッド・リドレー会長は「我々はミケルソンを招待した」と語っており、真相は依然として不明のままだ。

ミケルソンの3試合への出場意思を伝える声明に続き、驚きのニュースが、もう1つ、世界を駆け巡っている。

米スポーツ・インラストレイテッドによると、ロンドンで開催されるノーマンの「リブ・ゴルフ・インビテーショナル・シリーズ」初戦のエントリー締め切りは4月25日だったが、蓋を開けてみたら、70名がエントリーを申請。その中には、世界ランキングのトップ100のうちの15名ほどが含まれているという。

とはいえ、ノーマン側の大会は、1試合48名と規定されているため、補欠を考慮するとしても、70名のうち10数名はエントリー申請を却下されることが予想されている。

世界ランキング上位者15名のうちの1名がミケルソンということになるが、世界ランキングが何位であるかに関わらず、PGAツアーのメンバーであれば、他ツアーに出場する際に求められる出場許可をPGAツアーに提出することが求められる。

しかし、かねてからPGAツアーのジェイ・モナハン会長は「向こうのツアーに出た選手は即出場停止。メンバーシップ剥奪もありうる」と語っており、すんなり許可するとは考えにくい。

それに対してノーマンは独占禁止法を持ち出し、「選手たちが自由に戦う権利を奪うことはできない」と反論し、法廷で争う姿勢も見せている。

混沌としている世界のゴルフ界は、混迷の時代へ進もうとしている。

ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学・客員教授

東京都出身。早稲田大学政経学部卒業。百貨店、広告代理店勤務を経て1989年に独立。1993年渡米後、25年間、在米ゴルフジャーナリストとして米ツアー選手と直に接しながら米国ゴルフの魅力を発信。選手のヒューマンな一面を独特の表現で綴る“舩越節”には根強いファンが多い。2019年からは日本が拠点。ゴルフジャーナリストとして多数の連載を持ち、執筆を続ける一方で、テレビ、ラジオ、講演、武蔵丘短期大学客員教授など活動範囲を広げている。ラジオ番組「舩越園子のゴルフコラム」四国放送、栃木放送、新潟放送、長崎放送などでネット中。GTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)理事。著書訳書多数。

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