[訃報]ジャズのリズムを創造した西の横綱、チコ・ハミルトンさん逝去
チコ・ハミルトンさんといえば、ジャズを聴き始めたら「まずこれだよ!」と先輩に渡されたアルバム(もちろんボクの初心者時代はアナログのレコードでしたが)のなかでかなりの確率でドラマーとしてクレジットされていた人物。
そのリズムがどのようなものなのかはわからないにもかかわらず、「なるほどこれがジャズのリズムなんだ」ということを教えてくれたのが彼だと言っても過言ではないでしょう。
ロサンゼルス生まれの彼は、ハリウッドの隆盛に伴って西に移動してきたジャズのムーヴメントのなかで育ち、エンタテインメントとしてのジャズの確立に大きく貢献した人物です。
イーストコーストのジャズとウエストコーストのジャズの違いを知ることは、ジャズをより味わううえで重要なポイントです。ボクが先輩から言われたように「知らなければジャズを語ることなんかできないぞ!」とは言いません。でも、「知らないともったいないんだよなぁ…」とはつぶやいてしまいそうです。
ジャズという空間芸術の核となる“リズム”におけるひとつの規範を作ったといえるチコ・ハミルトンが言外に伝えてくれることは少ないはずがないのですから。
ご冥福をお祈りします。