NY原油2日:ドル安と需給緩和の強弱材料で期近安・期先高
NYMEX原油8月限 前日比0.03ドル安
始値 56.87ドル
高値 57.95ドル
安値 56.80ドル
終値 56.93ドル
特段の新規材料は見当たらなかったが、戻り売り優勢の展開が維持され、期近は小幅続落した。
アジア・欧州タイムは57ドル水準でほぼ横ばい推移になったが、ニューヨークタイム入り後は6月米雇用統計がドル相場の軟化を促したことで、原油相場に対しては買い戻しが膨らんだ。ただ、引けにかけては戻りを売り込まれる展開となり、概ね前日終値と同水準で引けている。期先限月やガソリン相場は続伸するなど、明確な方向性を打ち出せていない。
今週は米週間需給統計が原油相場を再び押し上げることに失敗する中、改めて需給環境の弱さがクローズアップされ易くなっている。引き続き石油輸出国機構(OPEC)が大規模な増産を継続する一方、米シェールオイルの減産傾向にブレーキが掛かる中、国際需給の緩和状態が再認識されている。
なおドライブシーズン中のガソリン需給にタイト感がみられ、本日もガソリン相場は1%を超える上昇率を記録している。ただ、ドライブシーズン終了までのガソリン安定供給に見通しが立ち始める時期を迎える中、製品相場主導で改めて上値を試すリスクは限定されよう。
引き続きイランの市場復帰に対する警戒感も強く、原油相場がここから大きく上昇していくシナリオを描くことは難しい。チャート上では約2ヶ月にわたって続いているボックス下限を試す展開になっており、同水準を割り込むと50ドル水準までの下落ペースが加速する可能性も十分にある。