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なぜ「毒親」は否定的なことを言うのか?毒親の心理を解説

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

本日のテーマは「毒親」についてです。

「毒親」の程度は幅広く、子どもに「暴力を振るう」「養育を放棄する」「暴言を吐いて傷つける」などのひどいレベルのものから、「プレッシャーを与える」「考えを押し付ける」「過度な干渉で自立を妨げる」ものまで「毒」とされる言動の範囲はさまざまです。

「毒親」には明確な定義はなく、子が自分の親は「毒親」だと思えば「毒親」だということになりえます。

親が子どもに体罰を加えたり、育児放棄をしたりするなどしていれば、周囲からみても明らかに「毒親」だとわかるのですが、過干渉やコントロールに関しては周囲からは分からないところが多く、「子に愛情を注ぐ親」「熱心な親」「真面目な親」だととらえられてしまうことが、多くあります。

周囲からそのような高評価を受けている親に対して、子どもはいつもモヤモヤしたり不満を抱えたりすることで、おかしいのは自分だと罪悪感を抱きやすくなります。

一見、誰もが理想的な家族だと思っている家庭にこそ、隠された一面があるのかもしれません。

今回は、周囲からは分かりにくい「毒親」について考えてみたいと思います。

なぜ毒親は子どもをコントロールするために否定的なことをいうのか?

「あなたのためを思って言っている」というセリフは、何度聞いたことか…と思う方も多くいるのではないでしょうか?

自分が親の気にそぐわないことや違った考えや意見を言うと、決まり文句のように出てくることもしばしば…。

そんな時、あなたはどう切り返していますか?

  • 罪悪感で何も言えない
  • 親が正しいとあきらめる
  • 「はいはい」と適当に流す

など、結局うやむやにしてしまうことがあるのではないでしょうか。

コントロールしたがる毒親と対立することは非常に難しく、たとえ言い負かせたとしても、後悔や申し訳なさなどの罪悪感が残り、自分を追い込んでしまうことになります。

では、なぜ毒親は子どもが自分とは違う考えを持った時に否定的なことをいうのでしょうか?

いくつか毒親の心理をあげてみたいと思います。

・自分が「正しい」と思っている

自分の考えが何よりも正しく、他の考えを受け入れる余地がないと言えます。

また、子どもが自分の価値観とは違う意見を持つことに対して、不安や恐怖を感じ、何とか子を「正そう」とする一心から「あなたのため…」ともっともらしいセリフを使うのではないかと思われます。

・上手くいかないと決めつけている

子どもが進路や就職、結婚について毒親に相談すると「そんなの上手くいかないに決まっている」「その相手は良くない」などと否定的なことをいって、諦めさせようとします。

親自身、強い不安を感じているからに他なりませんが、何よりも子どもを信用していないと言えるでしょう。

子どもが一生懸命決断をしたことを全否定する形で、自己肯定感や気力を奪います。

エネルギーを吸い取られた子どもは、大人になってからも決断力に乏しく、常に親に相談をしていないと気が済まなくなることも多く、まさに毒親の思うつぼだと言えるでしょう。

・自立してほしくないと感じている

親にとって子どもはいつまで経っても子どものままです。

健全な親であれば、子が自立することに対して、寂しくもあるけれど頼もしくもあり、幸せになってほしい。でもつらくなったらいつでも帰っておいで!と、そっと子の背中を押してやることができると思います。

しかし、毒親にとっての子どもは、たとえ何歳になっても小さいままで、「可愛い子どもが失敗したらどうしよう」「傷ついたらどうしよう」「悪いものから守らなければ」と過度の不安を抱き、正義の味方として子を守り続けます。

しかし、そのことが子の自立を妨げると同時に自己肯定感を低下させ、事あるごとに罪悪感を植え付けます。

まさに毒親にとって子の自立は、捨てられるに等しい恐怖と孤独があるのかもしれません。

毒親育ちの人から相談されたら

毒親を持つ人の悩みとして「いつ」「どこで」「だれと」「何を」するのか?を常に親に伝え、許可をもらわないと外出することもままならないという相談を受けることがあります。

また、たとえ許してもらえたとしても「あなたは気楽でいいわね」「あなたはいつも遊んでばかり」「家のこともろくにせずに出て行くのね」などと、嫌味をいわれるので心から楽しむことができないという方もいます。

誰かに相談すると「気にしなくていいんじゃない?」といわれてしまうため、自分が気にし過ぎているだけなのかも…と思ってしまうことがあるのだとか。

しかし、毒親育ちの子どもは小さい時から、厳しい門限を設けられたり、親が気に入った相手としか遊ばせてもらえなかったりするため、健全な家庭で育った人とは心理面で隔たりがあると言えます。

「気にしない」ということができないことも大いにあるので、容易なアドバイスはせずに、複雑な家庭環境で育った相手なのだと、気持ちを汲んで耳を傾けるようにしましょう。

まとめ

今回はコントロールする毒親の心理を解説してみました。

健全な家庭で育った方には理解しがたいことかもしれませんが、毒親育ちの人は意外に多くいます。

家庭のことは、プライベートなことなので、人に相談したりすることに躊躇いがあり隠れてしまうことも多々あります。

ただ、著しく自己肯定感が低い人や何事にも自信が持てず決断できない人を見かけた時は、そっと寄り添ってあげてほしいです。

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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