来年で財団法人100周年!メモリアルな年を控えた大相撲9月場所一押しグッズと西岩親方の注目力士たち
大相撲9月場所が両国国技館でスタートした。チケットは発売初日に全日程が完売。力士や親方衆といった“中の人”でも入手困難という異例の事態に、協会からはうれしい悲鳴が上がる。
そんな9月場所の見どころや、日本相撲協会一押しグッズなどを、広報部の西岩親方(元関脇・若の里)に伺った。
100年前から変わらない天皇賜盃とその重み
――今場所の一押しグッズはなんですか。
「一番宣伝したいのは、毎年出している『相撲手帳』です。いつもは1月場所に発売していたのですが、年内に売ろうということで、今年は9月場所から販売開始しました。来年は、財団法人100周年という協会にとって記念の年なので、1年かけてファンの皆さんと楽しめるいろんなイベントを計画している最中です。そのロゴも、手帳の後ろに入れました。例年よりも記念になる手帳なので、多くの人に手に取ってもらいたいです」
――毎年色が変わる手帳。今年はなぜ水色に?
「なんでですかねぇ~。って、私が決めたんですけど(笑)。まあでも、100周年なので、明るく爽やかな色を選びました。裏表紙をめくると、100年前に天皇賜盃がお披露目された日の写真が、そして表紙をめくると、現在の賜盃の写真があり、この100年の歴史を表現してみました」
――これは貴重な写真ですね。
「100年前の当時、天皇から賜盃が贈られるようになるということで、東京と大阪に二分していた協会が合併する、いいきっかけにもなったのだそうです。ちなみに、優勝旗は何代か変わっているんですが、天皇賜盃は100年前からものが一緒なんですって。昭和20年の空襲で国技館が燃えたときも、賜盃だけはと守られて、ここまできたのだそうです。すごいですよね」
願うは「土俵の充実」 西岩親方の注目力士は?
――今場所はチケットも即日完売だったそうで、相変わらずの人気ぶりがうかがえます。
「うれしいですよね。会場のガチャガチャやクレーンゲームなども、いつも行列になるくらい人気で、本当にありがたいです。あとは九州ですね。PRブースも設けていますが、九州が完売したらすごいことだと思います。でもやっぱり、最終的には土俵の充実です。こうしていいグッズを作るより、たくさんPRするより、各力士が感動する取組を一番でも多く取ってくれること。そうすれば、自ずとお客さんも増えていくと思います」
――ちなみに、親方の今場所の注目力士は。
「照ノ富士が休場ですので、番付最上位の琴櫻に期待です。初優勝と、さらに上の番付を目指せますし、目指さなきゃいけない一人。そのためにはまず初優勝に挑んでほしい。あとは大の里でしょう。先場所は9勝ですので、今場所すぐにとはなんとも言えないんですが、年内に大関を目指してほしい。あとは貴景勝にも期待しています。体は満身創痍だと思いますが、いままでも気力で相撲を取ってきたので、いままでの経験と精神力で10勝はできると思います。そして平戸海。先場所は小結で10勝にもかかわらず番付据え置きと不運でしたが、小結で10勝というのは価値があります。15歳で入ってきて、いま一番の伸び盛り。応援したくなりますよね。来年の100周年に向けて、新しい横綱・大関が誕生してくれれば、記念の年に花を添えてくれるでしょう」
――十両ではいかがですか。
「尊富士ですね。同じ青森(出身)なので。ケガの状態はわかりませんが、本来幕の内上位にいなければいけない力士なので、十両では優勝目指して頑張ってほしいです。逆に、飯塚さんが期待している力士は?」
――若隆景関です。もう一度、彼を三役で見たいです。
「おお、いまどこにいるんだ、7枚目か。勝っていけそうな位置にいますね。7枚目だったら上位に当たらないし、大勝ちするんじゃないですか。後半戦で上位に当たったとしても、彼は十分戦っていけます。いい見立てですね。今場所も楽しみにしましょう」