今年の旧正月休みは2月15日~21日まで。期間中は日本国内も飛行機やホテルの混雑が予想される
お正月から2週間が過ぎ、日本では多くの人が日常の生活に戻ったところであるが、アジアの各国では1ヶ月後に旧正月(春節)を迎える。毎年、旧正月は異なるが、今年は2月16日が旧正月となる。国によって春節期間中の祝日設定は異なるが、大晦日となる2月15日(木)~20日(火)もしくは21日(水)まで旧正月休みとなる国が多い。
日本人にとっては、旅行などでアジアへ出かける場合、お店やレストラン、観光施設などが閉まっていたり、ホテル代が高騰することから、この期間はアジアへの旅行を避ける人がいる程度の影響だった。日本国内で生活している限りは、春節の影響を受けることはまずなかったが、その状況に変化が出ている。
訪日外国人の増加で春節期間に日本を訪れる観光客が急増
その理由は、アジアを中心に訪日外国人(インバウンド)が増加している中、旧正月期間中に日本を訪れる観光客が特に増えるからである。JNTO(日本政府観光局)の発表データによると、昨年(2017年)の旧正月(昨年は1月28日)を含む1月の訪日旅行客は229万人(昨年2月は203万人)を数え、訪日旅行客の約75%強を旧正月が長期休暇となる韓国・中国(香港を含む)・台湾が占めた。東南アジアを含めると約9割がアジアから日本を訪れているというデータが出ている。今年は旧正月期間中に平昌オリンピック(韓国)が開催されることによる影響も考えられるが、2月に230~260万人近い外国人が日本を訪れる可能性が高い。
沖縄や北海道では既にホテルも取りにくくなっている
春節期間中は、国際線はもちろんであるが、国内を飛行機移動する外国人観光客も増えており、日本の国内線利用者も多くなる。だが、それ以上に混雑するのがホテル。手配できた場合も、ホテルの宿泊料金が通常時期よりも高騰する。特に沖縄では、プロ野球の各球団がキャンプを行なっていることもあり、既にホテルは満室状態である。2月17日の週末のホテルの料金をチェックしてみると、那覇市内ではゲストハウス以外で1万円台での宿泊は難しい状況になっている。
北海道も、ウインターシーズンで雪を楽しむ為に訪れる観光客も多く、旧正月期間中はアジア各都市から臨時便を運航したり、機体を大型化するなど多くの外国人で賑わうことになり、ホテルが不足することから、予約できても通常の期間に比べると高くなってしまっている。東京や大阪においても、この期間中の宿泊稼働率は高くなっており、同様の傾向が見られる。
国内線の飛行機や新幹線を安く手配できてもホテルが高額になることも
必ずしもホテルの価格高騰と国内線の航空券運賃は比例していないことである。年末年始やゴールデンウィーク、夏休み期間は航空券もホテルも高い料金設定になっているが、旧正月期間中はホテルは高いが国内線航空券や新幹線などの鉄道チケットはそれほど価格上昇していない。
そうなると飛行機は安く手配できて、いざホテルを予約しようとしたら全然空いてなかったり、空いていても想定外の高額になってしまうこともある。航空券の予約後にホテルが高いことに気づくこともあることから、航空券を予約する前にホテルの空室状況と宿泊料金を確認することが賢明である。
国内の観光地やホテルにとって、閑散期である2月(年によっては1月)に多くの訪日旅行客が訪れて消費してもらうことの経済効果は大きい。日本全国で春節期間中はいつも以上に多くの外国人観光客が見られることになるだろう。