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食品選択の最重要点は価格よりも安全性よりも美味しさにあり

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ 日々の食事の支度のためにお買い物。どのような基準で食材を選ぶのか

衣食住の言葉の通り、衣料や住居と共に日常生活には欠かせないのが食。人々は食の選択の際に、どのような基準を重要視しているのだろうか。厚生労働省が2015年12月に発表した「平成26年国民健康・栄養調査結果の概要」の結果から確認していく。

人々は食生活を充足するため、多様な選択を求められ、判断を行うことになる。その際にどのような観点を重視するかを尋ねた結果が次のグラフ。男女とも最上位についたのは「おいしさ」で、7割前後が同意する結果となった。

↑ 普段食品を選択する際にどのようなことを重視しているか(複数回答、2014年、20歳以上)
↑ 普段食品を選択する際にどのようなことを重視しているか(複数回答、2014年、20歳以上)

第2位以降は男女で大きな差異がある。これは日々の生活における食事の重要性の違いに加え、自分自身のために調達するのか、それとも家族の分も合わせた食事のための食品調達なのかも多分に影響しているものと考えられる(元資料によれば設問文面は「あなたはふだん食品を選択する際にどのようなことを重視していますか」のみで、誰のためのものかの設定は無し)。

男性では「好み」が次点、次いで価格、鮮度、安全性が続く。他方女性はおいしさの次に鮮度が、続いて価格、安全性。好みはその次でしかない。多分に家族全体を考えた食品選択であることがうかがえる。また全体的に女性の方が回答率が高く、男性がおいしさや好みに特化した食品選びをしているのに対し、女性は多種多様な見方で選んでいるのが把握できる。

これを各年齢階層別に見たのが次のグラフ。まずは男性。

↑ 普段食品を選択する際にどのようなことを重視しているか(複数回答、2014年、20歳以上、年齢階層別、男性)
↑ 普段食品を選択する際にどのようなことを重視しているか(複数回答、2014年、20歳以上、年齢階層別、男性)

歳を重ねるにつれて美味しさや鮮度、価格に対するウェイトが減り、安全性や好み、季節感、栄養価が減っていく様子が非常によく現れており、普段から食品選択に関して語られている話の裏付け的な結果が出ている。量や大きなは40代をピークとし、それ以降は漸減していく。ちなみに60代以降になると、おいしさ・鮮度の上位2位は変わらないものの、第3位には栄養価が収まることになる。

↑ 普段食品を選択する際にどのようなことを重視しているか(複数回答、2014年、20歳以上、年齢階層別、女性)
↑ 普段食品を選択する際にどのようなことを重視しているか(複数回答、2014年、20歳以上、年齢階層別、女性)

女性は元々回答率が高いため、棒グラフの面積も大きなものとなっているが、大まかな傾向は男性と変わりないように見えるが、回答率のピークの多くが70歳以上では無く60代で、70歳以上になると食生活へのこだわりがやや薄らぐ。配偶者に先立たれるなどで、一人暮らしの人が増えるからだろう。

他方、全体ではやや順位が落ちる季節感や栄養価、量・大きさへのこだわりも強い。例えば60代では栄養価が他の項目を抜いてトップ、50代では量・大きさがトップについている。

今件データは現時点では回答者の世帯構成をはじめとした詳細属性は記されておらず、後ほど公開される詳細値でも仕切り分けされているか否かは不明。仮にその類のデータが存在した場合には、食生活における選択性向を推し量る際に、大いに参考になるはず。もっとも、今件の仕切り分けでも、十分にうなづけ、役立つ部分が多いのには違いないのだが。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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