二つの記録が懸かる近江 因縁の金光大阪と準々決勝で対決!
センバツは順延を挟んで、27日に8強が出揃う。広島商にコロナ感染者が11人も出て、大阪桐蔭との2回戦が不戦敗となったのは残念だが、準々決勝から大会は一気に盛り上がってくる。
近江と金光大阪が準々決勝で対決
今大会の補欠校だった近江は、本来なら甲子園でのプレーがかなわないはずだったが、開幕前日、多くの選手がコロナ感染した京都国際が出場を辞退したことから思わぬチャンスを得た。調整不足が明らかだった長崎日大との初戦はようやく9回に追いつき、タイブレークで辛勝。しかし2回戦では聖光学院(福島)を終始、圧倒して快勝し、19年ぶりに8強へ名乗りを挙げた。準々決勝では金光大阪と対戦する。昨秋の近畿大会準々決勝で、6点差をひっくり返された(タイトル写真は打席が近江・山田陽翔主将、捕手が金光・岸本紘一主将)因縁の相手だ。
昨秋、近江が圧倒していたが…
昨秋の試合は、近江が立ち上がりから金光のエース・古川温生(3年)に猛打を浴びせ、4番・山田の本塁打性中越え二塁打などで先制。その後も古川を攻め、4回までに6点を奪った。現場で見ていた印象では、コールドやむなしかという雰囲気だったが、ワンプレーで流れが変わる。3回まで無走者に抑えていた近江先発の左腕・星野世那(3年)が初めてピンチを招くと、金光5番・貴島琉惺(3年)がライト後方へ大きな当たり。半身で追いかけた山田がグラブからこぼし(記録は三塁打)、2点が入った。
「原点の試合」と山田
さらに続く今北玲央(2年)も同じような当たりを山田の所へ放って、これも適時三塁打となった。ここから近江は急に旗色が悪くなり、古川を立ち直らせてしまう。そして8回、疲れからか星野の制球が定まらなくなると、代わった外義来都(3年=今大会ベンチ外)も乱調で、一気に4点を奪われた。ヒジ痛の山田をマウンドへ送れなかった近江は、投手陣の不安定さがセンバツ選考に響き、補欠に回ることに。フライを捕れず、マウンドにも上がれなかった山田は「この試合が原点」と語り、片時も忘れたことがない。
近江先発は山田か、星野か
さてその試合だが、まずは近江の先発に注目したい。2試合完投で、すでに22回252球を投げている山田か、昨秋のリベンジに燃える星野か。順延により中2日となったことで、多賀章仁監督(62)は、やはり山田に託すだろうか。一方の古川は、木更津総合(千葉)戦で13回、160球を投げていて、中2日でどこまで回復しているか。両校投手陣に疲れがあると、秋の7-6というスコア並みの点の取り合いもあるだろう。
滋賀勢初の春4強なるか
ところで、昨夏4強の近江は、今回が19年ぶりのセンバツ8強。19年前は優勝した広陵(広島)に敗れたが、滋賀県勢はまだセンバツで3つ以上、勝ったことがない。夏は近江の準優勝を始め、瀬田工、甲西が4強に進んでいるが、センバツ4強は滋賀県勢の悲願でもある。また補欠からの繰り上げ出場で3勝以上したチームもない。近江には二つの記録が懸かっている。