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前半に最も多くのホームランを打った選手は本塁打王を獲得しているのか。今年はジャッジと大谷がトップ

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Jul 15, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、オールスター・ブレイクまでに最も多くのホームランを打ったのは、ア・リーグが34本のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)、ナ・リーグは29本の大谷翔平(ロサンゼルス・ドジャース)だった。

 2人とも、シーズン前半にリーグ最多のホームランは3度目だ。ジャッジは、2017年の前半30本塁打と2022年の前半33本塁打がア・リーグ1位。どちらのシーズンも、本塁打王を獲得した。今のところ、この2シーズン以外の本塁打王はない。

 大谷は、2021年の前半33本塁打と2023年の前半32本塁打がア・リーグ1位。2度目の2023年は本塁打王となったが、1度目の2021年は、サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)とブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)の後塵を拝した。大谷のシーズン46本塁打に対し、2人は48本塁打を記録した。

 短縮シーズンの2020年を除く、直近10シーズン(2013~19年と2021~23年)の前半トップと後半トップは、以下のとおり。1チーム60試合の2020年は、オールスター・ブレイクがなく、ア・リーグは22本塁打のルーク・ボイト、ナ・リーグは18本塁打のマーセル・オズーナ(アトランタ・ブレーブス)がタイトルを手にした。

筆者作成
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 前半に1位あるいは1位タイの延べ24人中、そのシーズンに本塁打王は、41.7%の10人だ。半数に満たないが、後半に1位もしくは1位タイの本塁打王は30.8%(8/26)なので、前半トップのほうが割合は高い。もっとも、これは、当然の結果だろう。前半の試合数は、後半よりも多い。

 2013~19年と2021~23年の本塁打王、延べ24人のうち、前半と後半のどちらも1位――1位タイを含む――は、2017年のジャンカルロ・スタントン(当時マイアミ・マーリンズ/現ヤンキース)、2022年のジャッジ、2023年のマット・オルソン(ブレーブス)の3人だ。前半も後半も単独1位は、2年前のジャッジだけ。どちらのスパンも、ア・リーグだけでなく、両リーグで最も多くのホームランを打った。

 2017年のジャッジや2023年の大谷のような、前半1位&後半2位以下の本塁打王は7人。一方、2021年のペレスのような、前半2位以下&後半1位の本塁打王は5人だ。

 24-3-7-5=9だ。あと9人の本塁打王は、前半も後半も1位ではなかった、ということになる。直近では、2021年のゲレーロJr.がそう。前半の28本塁打は、トップの大谷と5本差の2位。後半の20本塁打は、ペレスより7本少なく、このスパンの5位タイに位置した。

 このパターンで本塁打王を獲得したナ・リーグの直近は、2019年のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)だ。こちらは、前半も後半も2位。前半の30本塁打が1位と1本差、後半の23本塁打は1位と6本差だった。

 なお、2013年の後半にア・リーグ1位の17本塁打を記録したアルフォンソ・ソリアーノは、7月下旬のトレードにより、ナ・リーグのシカゴ・カブスからア・リーグのヤンキースへ移った。前半にカブスで16本塁打、後半はカブスで1本塁打とヤンキースで17本塁打だ。

 2015年のスタントンは、前半にナ・リーグ最多の27本塁打ながら、7月を迎える前にシーズンを終えた。2014年の前半に21本塁打――スタントンと並ぶナ・リーグ最多――のトロイ・トゥロウィツキもそれに近く、後半は最初の2試合しか出場していない。

 今シーズン前半の本塁打ランキング(15本以上)は、こちらにリストを記載した。

「リーグ本塁打1位のジャッジと大谷は2位と6本差と3本差で前半終了。最終日は9人が1試合2本以上」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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