【富士宮市】村山浅間神社参道の石階段が積み直し修理中 階段下の遺構調査結果はいかに?!
富士山は、信仰の山としても歴史的・文化的に高い価値があり、富士山頂及び富士山周辺にある富士山信仰の関連施設及び関連遺跡などが、一括して『史跡富士山』として平成23年2月に国史跡に指定されました。
そこで、富士宮市は21年に『史跡富士山』村山浅間神社大日堂整備基本計画を策定し保護・保存、活用の仕組みとそれに向けての持続可能な地域づくりを実現するための整備の基本的な計画を示しました。
昨年11月市議会では世界遺産構成資産の村山浅間神社整備計画についての一般質問の答弁の中で、当時の龍頭池の位置の特定に向けた調査を進め、龍頭ヶ池から水垢離場まで水を引くことや歩経路整備などを検討。石段は23年から積み直し修理を予定しているとのことでした。
9月に訪れたときには、まだ着手されていなかった石階段の積み直し修理でしたが、12月13日に訪れると、工事が始まっていました。
鳥居のある側の階段は工事のため通行ができませんが、向かって右側の階段を使って境内に行く事ができます。
石階段踏み面が破損したり土台となる土が沈んで石がずれている個所があり、上りづらく危険なため、積み直し修理をしています。
施行者のタナカ石材株式会社の担当者さんから積み直し修理の概要を教えてもらうことができました。
石階段に使われている石自体も文化財の1つという扱いなので、できるだけ現状から手をつかないように留意し、復旧の際も番号で管理できるように、撤去する前に石材に番号をつけているのだそう。
良く見ると石に緑色のマスキングテープに番号が書かれているのが分かります。
既存の石段を撤去した後は、階段の下の遺構調査を行った後、整地・転圧して石を復旧するのだそうです。
タナカ石材株式会社さんは駿府公園や久能山東照宮の石垣、人穴富士講遺跡、山宮浅間神社などの静岡県内の歴史的建造物の施行をされている実績のある業者さんなので、石段の修理が完成するのが待ち遠しくなります。
ちなみに、工期は来年の3月24日までですので、初詣時にはまだこちらの階段は利用できません。
右側の階段を利用してお参り下さい。
享保18年(1733年)に中谷顧山が大宮・村山口から登山し、須走口から下山して、記した『富嶽之記』には『大日堂東方奥にある「竜頭ヶ池」の聖水を引いた滝で体を清め、不動明王の守護を願った』と記されています。
水垢離場中央には不動明王が祀られていて、滝というのが水垢離場と想像が付きます。
龍頭池の位置が特定され、龍頭ヶ池から水垢離場に水がひかれた景色を想像したら、色褪せそうな歴史の一コマが鮮やかによみがえりそうで、とても待ち遠しい気分になりました。
村山浅間神社
住所:富士宮市村山1151
アクセス:県道72号線を裾野方面に向かい、村山ジャンボスポーツパーク野球場手前に看板があり、左折
案内所:土日祝日10:00~15:0
*令和6年3月24日までは参道石階段修理が施工されています。