高齢者の事故は自宅内で生じる可能性が高い(2019年公開版)
年齢を問わずに発生する事故。しかしその発生場所の傾向は、高齢者とそうで無い人との間には違いがあるようだ。その実情を内閣府が2019年6月に発表した「高齢社会白書」から確認していく。
年を取って肉体が虚弱化した際に、あるいはそれを見越して事前に、自宅をリフォーム(改装)して住み続けたいと考える人は多い。また、年齢階層別の回答値を見る限りでは、多くの高齢者がすでに高齢者向けのリフォームを自宅に施していることが考えられる。
これは見方を変えれば「自宅に住み続けたいが、そのままでは体が弱った自分にはリスクが大きすぎる」との認識が強まっていると解釈できる。無論リフォームの概念そのものが日本にも(高齢化とともに)浸透しはじめたのも一因。そして高齢者は体力などの問題から外出をひかえるようになるのも原因の一つだが、高齢者による事故は、その7割強ほどが住宅内との結果が出ている。若年層と比べると、6%ポイントほどの違いがある(空欄の属性は回答者がゼロ)。なおいくつかのグラフは、2019年版の白書では解説そのものが掲載されていないので、2018年の値を用いている。
特にレジャー施設などと想定される「海・山・川など自然環境」「公共施設」、外出時には足を運ぶことが必要不可欠となる「一般道路」の値が高齢者は低く、住宅における値に積み増しされている感はある。つまり外出機会・割合そのものが高齢者の方が低い次第である。
高齢者は体力などの問題から外出をひかえるようになるため、必然的に自宅内で過ごす時間が長くなり、事故の発生する場所が自宅となってしまう確率は高くなる。高齢者の事故率において住宅≒自宅の値が高くなるのは当然ではある。
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