東京の大雪は、なぜ土日と祝日に多いのか?
東京都心で積雪が27センチの大雪となった8日土曜日、周りでは「また休日の大雪か」という会話がかわされていました。
去年の大雪は、成人の日で祝日。また、今回、積雪が20センチを超えたのは94年2月12日以来でしたが、その日は土曜日でした。
東京の大雪は土日と祝日に集中
東京都心の大雪注意報の基準は、降雪5センチです。結果的に5センチ以上積もった日を、90年代以降で調べてみました。
5センチ以上の積雪があったのは12回。そのうち10回が、土曜日・日曜日・祝日に降っています。
80年代は、そういった傾向は見られません。一方、2000年以降の5センチ以上は、すべて土日か祝日です。
気温が影響か
可能性の一つとして考えられるのは、気温です。都市部では、人が多く活動する平日は、気温が上がりやすくなります。
気象庁気象研究所の解析によると、東京都心では、土日・祝日の気温が、平日に比べて、0.2℃ほど低く、特に冬に土日・祝日の低温が目立つそうです。
また、長期的に見ると、土日・祝日と平日の気温差は、大きくなる傾向にあります。
東京都心で積もる雪になるかどうかは、気温0.数℃の違いで、結果が大きく変わることもよくあります。
当然、気温が低いほど、積もりやすい雪となります。また、降水量が同じでも、雪は気温が低いほどふわっとして、かさが高くなり、積もる量が増えやすくなります。
なお、同じ関東でも、北関東では、土曜・日曜・祝日に、大雪が特別に多いということはありません。
今後に注目
回数がそれほど多くないので、今後も事例を見ていく必要があるのですが、予報者にとって、まったくの無視はできない統計だと思っています。
一方で、この統計に引っ張られすぎると、土日・祝日の雪予報が過剰になったり、平日の大雪を見逃しやすくなったりするので、どれだけ考慮するかは難しいところです。
そうこう考えているうちに、8日の大雪時と同じく、本州の南岸を進む低気圧がやってきます。
関東に最も接近するのは、15日の土曜日です。