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リーグワン1部・第3節・私的ベストフィフティーン【ラグビー雑記帳】

向風見也ラグビーライター
フリゼル。圧倒的なフィジカリティ。(写真提供=JRLO)

 1月4、5日に各地であった国内リーグワンの第3節は、6戦中4戦が10点差以内に終わった。

 前年度王者の東芝ブレイブルーパス東京に26—32と迫ったコベルコ神戸スティーラーズのデイブ・レニーヘッドコーチは言う。

「どこの会場でも本当に腕相撲のような、最後までどうなるかがわからないような試合が多い」

浦安D-Rocks 12―40 横浜キヤノンイーグルス

三菱重工相模原ダイナボアーズ 34―40 静岡ブルーレヴズ

リコーブラックラムズ東京 16―39 埼玉パナソニックワイルドナイツ

東京サントリーサンゴリアス 30―30 トヨタヴェルブリッツ

三重ホンダヒート 27―32 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

東芝ブレイブルーパス東京 32-26 コベルコ神戸スティーラーズ 

 ブレイブルーパスは司令塔のリッチー・モウンガを欠きながら長短のキックを利し、以前より固くなったスティーラーズの守りを攻略。中盤以降にあった我慢の時間帯も粘り強く耐え、向こうに2敗目をつけて開幕3連勝を決めた。

 現体制2年目で2連勝中の三重ホンダヒートは、1勝1敗も充実ぶりのにじむスピアーズと激突。大型補強にも助けられてかプレーの強度が増しており、前年度の同カードのスコア(0-75、24-61)を忘れさせるような接戦を演じた。後半30分に27-25と2点リード。しかし35分、カウンターアタックからの連続フェーズにより失点。27-32と今季初黒星を喫した。

 旧トップリーグ時代に上位を争っていた東京サントリーサンゴリアスとトヨタヴェルブリッツは、未勝利のまま30—30でドロー。互いに理想の攻めを繰り出しながら決定機を逃した格好で、ヴェルブリッツの姫野和樹主将はこう話した。

「自分たちがやりたいラグビーは随所に見られた。チームにマッチングしてきている。全員でスペースを見つけて、判断してスキルを使ってボールをプレーするところです。勝ち切れなかったところだけが残念だった」

 静岡ブルーレヴズは三菱重工相模原ダイナボアーズとの打ち合いを40-34で制し、開幕3連勝。交替戦略の妙が自陣からのアタックに好循環をもたらし、後半25分に40-29と突き放した。

 以下、第3節の私的ベストフィフティーンを紹介する。

1,森川由起乙(東京サントリーサンゴリアス)…前半で交替もタックルシチュエーションで存在感。

2,堀越康介(東京サントリーサンゴリアス)…得点に繋がるラインブレイクを披露し、2度のジャッカルに成功。

3,為房慶次朗(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…前半20分の緊急出場からスクラムとタックルで強靭さを示す。

4,ハリー・ホッキングス(東京サントリーサンゴリアス)…タックル、接点への身体の差し込み、ボール投入のミスを誘うラインアウトの防御。

5,デーヴィッド・ブルブリング(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…ラインアウトの軸。守っては首尾よくスティールした。チョークタックル、反則を誘うサポートも光った。

6,ラクラン・ボーシェー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)…試合中盤以降、要所で好ジャッカルを連発。

7,古川聖人(横浜キヤノンイーグルス)…後半開始早々の自陣ゴール前などでタックルを重ねた。終盤には好ジャッカルも披露。

8,シャノン・フリゼル(東芝ブレイルブーパス東京)…先制点を生んだ問答無用のラインブレイク、破壊的なタックル。

9,ファフ・デクラーク(横浜キヤノンイーグルス)…ペナルティーキックからの速攻でチームの運動量を活かした。ボックスキック、球さばき、防御ラインに入っての鋭いタックルもあった。

10,田村優(横浜キヤノンイーグルス)…防御の背後や後衛の隙間へ好キックを連発。仕掛けながらのパスも効いた。

11,マロ・ツイタマ(静岡ブルーレヴズ)…キックチャージからのノーホイッスルトライを皮切りにハットトリック。ラインブレイクを重ねた。

12,リカス・プレトリアス(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)…接点への球への絡みで味方防御ラインの形成をサポート。球を持てばしなやかな動きでタックラーを引き寄せ、穴場にパスを放った。

13,セタ・タマニバル(東芝ブレイルブーパス東京)…チャンスで防御の裏側へ好キック。ラストワンプレーでのジャッカル。コンタクト時はタックルの芯から逃れ、前に出ながらボールを保持した。

14,ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイルブーパス東京)…快足を飛ばしてのキック処理。相手の走路を塞ぐ防御。終盤に爆発力を活かして2トライ。

15,レメキ ロマノ ラヴァ(三重ホンダヒート)…ハイボールキャッチ、迫るタックラーをかわしてのラインブレイク、キックチェイスと八面六臂の活躍。序盤にはピンチを防ぐバッキングアップもあった。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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