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NY原油10日:米原油在庫減少で、期近主導で続伸

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

NYMEX原油7月限 前日比1.29ドル高

始値 60.58ドル

高値 61.82ドル

安値 60.45ドル

終値 61.43ドル

米原油在庫の減少を手掛かりに、期近主導で続伸した。

米エネルギー情報局(EIA)によると、全米原油在庫は前週比-681万バレルの大幅な減少になった。季節トレンドに沿った動きだが、製油所向け需要拡大の動きとシェールオイル生産鈍化を受けて、米国内在庫の取り崩しが6週連続で続いている。これを手掛かりにWTI原油に対しては買い圧力が強まり、約1ヶ月ぶりの高値圏に到達している。

石油輸出国機構(OPEC)の6月月報では、5月のOPEC原油生産量が前月の日量3,095.2万バレルから3,097.5万バレルまで増加していたことが確認されている。OPECの強力な増産政策が再確認されるも、これを手掛かりに原油相場を売り込むような動きは見られなかった。明らかにシェールオイルの生産調整を上回るペースでOPECの増産が続いているが、マクロな需給緩和リスクを材料視するような動きは限定されている。

最近は、「国際需給の緩和見通し」で売られ、「米国内の在庫取り崩し観測」で買われる、不安定な値動きが続いている。ドル相場が方向性を欠いていることも、原油相場に対する戻り売り圧力を一服させている。もっとも、ドル高回帰、国際需給緩和の流れには変化がないと考えており、60ドル水準は売り場との評価を維持している。ドル反落リスクには注意が必要だが、このままドルが急落前の高値水準を回復すれば、50ドル台割れを試すことも十分に可能な相場環境と評価している。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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