NY金23日:ギリシャ債務問題の進展観測、ドル高で続落
COMEX金8月限 前日比比7.50ドル安
始値 1,185.30ドル
高値 1,187.70ドル
安値 1,175.70ドル
終値 1,176.60ドル
ギリシャ債務問題の進展観測を背景に続落した。
6月23日のユーロ圏首脳会合で最終合意には至らなかったが、参加者側からはギリシャの新提案を高く評価する声が聞かれており、合意形成の方向に動いているとの見方が「安全資産」である金相場の上値を圧迫している。24日もギリシャ首相、欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)、ユーログループのトップ会合が予定されているが、週末にギリシャ議会が財政改革案について承認できれば、月末までに債権団側の承認を取り付け、ギリシャのデフォルト(債務不履行)やユーロ圏離脱といった最悪のシナリオは回避できる見通しが強くなっている。まだ最終合意までは予断を許さない状況が続くが、ギリシャ債利回りが急低下する一方、世界の主要株価が上昇傾向を強めるなど、リスクオンの地合が素直に金相場の上値を圧迫している。
この結果、為替市場では改めて米国とその他の国の金融政策スタンスの違いがクローズアップされており、本日はドル高圧力もドル建て金相場の上値を圧迫している。米耐久財受注は市場予測を下回ったが、変動の大きい民間航空機の落ち込みの影響が大きく、特に米製造業セクターの減速リスクを示すものとは評価されていない。
このままギリシャ情勢のみで急落する相場とは考えていないが、月末・月初の米指標が景気の底固さを示すことに成功すれば、米金融政策の正常化プロセスが改めて金相場の上値を圧迫する可能性が高い。200日移動平均線(1,206.70ドル)を前に戻り高値を確認しており、再び4月から続くボックス下限を試す展開に。今後も米指標を確認しつつ、コアレンジ切り下げを打診する展開となろう。昨年11月と今年3月に押し目を確認している1,150ドル割れが次のターゲットになる。