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無冠となった統一ライト級王者のカムバック

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 2020年10月17日、テオフィモ・ロペス・ジュニアはワシル・ロマチェンコを下してIBF/WBA/WBO/WBCフランチャイズ統一ライト級王座に就いた。

https://news.yahoo.co.jp/byline/soichihayashisr/20201020-00203526

 その翌年11月に行われた初防衛戦で、ロペスは王座から転落。倒し、倒されのファイトで、ジョージ・カンボソスに1-2の判定で敗れたのだ。この一戦はスポーツ総合TVチャンネル、ESPNが「2021年年間最大番狂わせファイト」に選んだ。

 カンボソスもまた、初防衛を飾れず、現王者はデヴィン・ヘイニー。10月16日にカンボソスとヘイニーはリターンマッチを戦う。

 そんななかで、テオフィモ・ロペスが8月13日、ペドロ・カンパを相手にスーパーライト級でカムバックする。

写真:ロイター/アフロ

 現在24歳のロペスは、パウンド・フォー・パウンドランキングへの返り咲きを目論んでいるそうだが、13日のファイトはチューンナップ戦にほかならない。34勝(23KO)1敗1分けのカンパは、安全な相手として抜擢したメキシカンファイターである。

 タイトル獲得時からライト級で戦い続けることに限界を感じ、カンボソス戦では吐き気が消えない状態でリングに上がったロペスは140パウンドで本領を発揮できるか。当然のことながら、現在、彼が標的とするのは、IBF/WBOスーパーライト級王者のジョシュ・テイラーだ。

写真:ロイター/アフロ

 140パウンドで、WBO5位、WBC6位、WBA8位、IBF10位にランクされるロペスは、13日にこのクラスでもトップファイターであることを示さねばならない。果たして、どんなパフォーマンスを披露するか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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