世界初!スウェーデンが国全体をAirbnbに掲載
スウェーデンの公式観光機関Visit Swedenは、世界最大手のコミュニティー主導型マーケットプレイスを運営するAirbnb(エアビーアンドビー)と提携した。最近では海外旅行に行く時にAirbnbで現地の個人が提供している家に宿泊(民泊)する人も増加しているので日本でもお馴染みになった。
スウェーデンでは 国全体をAirbnbに掲載することを2017年5月に発表。スウェーデンでは公有の土地はすべて誰でも自由に立ち入ることができるため、正式な予約なしに滞在先がAirbnbで見つけられるようになる。
スウェーデンの「あらゆる湖がプール」に、「山の頂は頑丈な岩のテラスに」、「草原は庭に」、「森はキノコやベリーがぎっしり詰まった食料庫に」なるとリリースしている。そのため、何の気兼ねもなく、朝のジョギングを楽しんだり、広々とした野原を自転車で走り抜けたり、険しい山でトレッキングに挑戦することもできる。もっとグレードアップした旅をしたくなっても、 誰かに問い合わせる必要はありません。 気分に合わせて一番素敵な場所を見つけるだけとのこと。
スウェーデンの自然享受権
スウェーデンには高い山に深い森、美しい島々、静寂に包まれた草原などあらゆる自然がある。そしてスウェーデンの憲法では『自然享受権』が保障されているため、さまざまな自然体験を楽しむことができる。
憲法で保障された「自然享受権」に基づいて、スウェーデンには移動自由の考え方という独自の制度もある。 スウェーデン語では「万民のもの」を意味するAllemansratten(アッレマンスレット)と呼ばれ、文字どおり全ての人に対して与えられる権利。つまりスウェーデンに住む人だけでなく旅行者も、土地や土地の所有者に損害を与えたり環境を破壊したりしない限り、地方のあらゆる土地に自由に立ち入ることができる。多くのスウェーデン人にとって自然享受権は文化遺産であり、国の象徴とみなされることもあるこの権利は各地に古くからある慣習法に由来、その起源は中世まで遡るそうだ。
自然享受権の元では、個人が所有する非公開の庭や作物が植えられている耕作地でない限りは、誰でも自然に立ち入り、散歩やサイクリング、キャンプなどをどこでもすることができる。自然は万民のものであると考え方は、すべてのスウェーデン人のDNAに刻み込まれているものの、権利には当然大きな義務も伴う。つまり、自然の中で過ごす際には「自然を傷つけたり、壊したりしない」ことが大原則。これはAirbnbが提供している民泊の家に対しても同じことだ。
Airbnbの北欧地域担当ゼネラルマネージャー、 ジェームズ・マクルア氏は今回の提携について「スウェーデンをAirbnbに迎え、あらゆる人がAirbnbでスウェーデンを探求できるようになったことを非常に嬉しく思います。今回の提携は国の公式の観光組織とAirbnbが協力するというこれまでにないパートナーシップであり、今後、Airbnbコミュニティのパワーを活用して、観光地としてのスウェーデンの魅力を積極的に推進していくために考えられたもの。Airbnbのコミュニティは国中にある数々の素晴らしい滞在先を紹介するには、まさにうってつけの場所」とコメント。
暮らすように旅をする
利用者はAirbnbでスウェーデンの自然を探索して遊びに行ける。公共の自然だから、無料だ。Airbnbは世界最大級の民泊を含めた旅行情報を提供するプラットフォームで、そこから収益を得ている。2016年11月からは「ホーム」シェアリングだけでなく、「体験」やおすすめの「スポット」のシェアまでサービスを拡大している。今回の提携のビジネスモデルについてAirbnbに確認したところ、スウェーデンとの提携では収益は考えてないとのこと。Airbnbの「belong anywhere(暮らすように旅をする)」というコンセプトと、ユニークな旅の体験を提供するということにスウェーデン国の自然に対する思いとポリシーが一致したとのことだ。
2008年8月に創業されたAirbnbだが、スマホの普及とAirbnbの登場で、旅行の在り方が大きく変わった。海外では多くの旅人がスマホでAirbnbで特徴のある家やアパートなどを探し、予約して民泊して現地での生活を体験して楽しんでいる。スマホを片手に観光地図に乗っていないような住宅地の家を探している。個人だけの「ユニークな旅」を楽しみたい人にとってスウェーデンの大自然はうってつけだ。