日銀次期総裁、雨宮副総裁に打診、債券市場は想定内か
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政府が日銀の黒田東彦総裁(78)の後任人事について雨宮正佳副総裁(67)に就任を打診したことが5日わかった。黒田氏は4月8日に任期満了を迎える。与党などとの調整を進め、2人の副総裁も含めた人事案を2月中に国会に提示する(6日付日本経済新聞電子版)。
1月30日に発表された債券市場関係者によるQUICKのアンケート結果によると、次期総裁は誰だと思いますかとの問いに対し、雨宮正佳氏が63%、中曽宏氏が21%、山口廣秀氏が15%となっていた。
これを見る限り、債券市場関係者の予測通りの人選ということになろうか。
日経新聞の報道を受け、外為市場ではドル円が132円台を一時つけるなど円安が進んだ。雨宮氏であれば現状の政策を受け継ぐとともに、慎重に正常化を進めるのではとの見方が出たとみられる。
個人的には12月の金融政策決定会合での微修正、1月の会合での現状維持とそれらの前後の報道などから、勝手に山口氏もありうるかとみていたが、まさに本命が指名される可能性が高まった。もしこれが山口氏であれば、外為市場では円高反応していた可能性がある。
債券市場は比較的冷静な反応となっていた。3日の債券先物は147円15銭で引けていた。この日のナイトセッションの債券先物は雇用統計受けた米安などから、146円81銭に下落。
6日の債券先物の寄り付きは14銭安の147円01銭。ナイトセッションに比べれば下げ渋りとなっていたが、その後146円79銭まで売られ、ナイトセッションの引けも下回っていた。雨宮総裁観測よりも米安の影響が大きかったというか、雨宮氏は想定の範囲内といったことであろうか。
今後の注目は副総裁人事となる。候補として翁百合氏の名前も挙がっている。また、一人は財務省出身者となると予想される。
まだ正式な指名とはなっていないが、新総裁にはなるべく早期のイールドカーブコントロールの撤回、解除を行って、日本の債券市場の機能を回復させていただきたい。