駅弁女王の「春爛漫!今年のオススメ花見駅弁」
南から桜の開花宣言が徐々に聞こえてきた昨今。日本気象協会のHPによると、来週には全国の半分のエリアが満開になりそうだ。
今年も公園での花見宴会は自粛だが、家で、庭で、プライベートな空間に桜や春の花々を飾ってひとりで花見をするのは大いにアリ。”ひとり花見の友”に自信をもってオススメするのが駅弁だ。ちらし寿司やタケノコご飯、鰆やホタルイカなど春の食材、そして春色あふれる駅弁などなど、花見気分に浸れる駅弁が全国で作られている。
美しい四季のある日本。食文化のひとつである駅弁も季節ごとに楽しまないともったいない。
さくら・桜・サクラ!! 思わず声を上げる「弘前の春 満開桜ずし」(八戸駅・新青森駅/1280円)
東北を代表する桜の名所・弘前城の写真をあしらった掛け紙が春らしさをアップ。わっぱ形の容器の表面いっぱいに、それはたくさんの大小の桜花があふれている。いったい何十の桜花が咲いているのだろう。桜花は梅酢漬けの大根で、ひとつひとつ手で型をくり抜いているそう。下にはイクラ醤油漬け、トビウオ卵醤油漬け、ホタテ白だし煮、炙り漬けサーモン、サワラの白醤油漬け炙り、厚焼き卵、山菜などが隠れている。ご飯はりんご酢と梅酢を使ったピンク色! まずは梅酢の桜花で一杯やり、締めにご飯が花見風。創業明治25年、八戸市の調製元「吉田屋」の新作駅弁だ。
津軽海峡を渡った北海道の新函館北斗駅にも、同じ吉田屋が調製する春爛漫の駅弁がある。「北の春 鰆とサーモンのポン酢めし」(1380円)と「函館五稜郭の春 海鮮桜ずし」(1380円)だ。ポン酢めしはその名のとおりポン酢で味付けしたさっぱりしたご飯が秀逸。サワラ、サーモン、イクラのほか菜の花や姫タケノコ煮が春を感じさせる。海鮮桜ずしにもピンクの桜花が散りばめられている。駅弁でひと足早く、北国の春を楽しもう。ゴールデンウイーク前ぐらいまでの限定販売となっている。
■吉田屋 0178-27-4554
まるで料亭弁当。春の食材満載、盛りつけも美しい「花見御膳 うららか」(富山駅/1800円)
「ますのすし」で知られる富山市の「源」の季節駅弁。朝どれホタルイカの酢味噌和え、国内産の生タケノコ煮、タケノコご飯などの旬の食材をはじめ、桜色のますの道明寺蒸しや錦卵、そしてますのすし、バイ貝、昆布、蒲鉾など富山の味を詰め込んで、まさに花見で食べたい二重折りになっている。要予約。
もうひとつ、「花見ちらし 舞」(850円)錦糸卵にイクラや鮭ほぐしがキラキラ光って、春の風景が表現されている。三色団子がご愛嬌だ。どちらも4月16日までの限定販売。
■源 076-429-3100
すき焼きもイカナゴも、神戸のうまいもんを肴に「春の旅路」でひとり宴をどうぞ(新神戸駅/1200円)
神戸市「淡路屋」の春の駅弁は「春の旅路」が一押し。穂先タケノコがのったタケノコご飯に桜麸がのったすき焼き、高野豆腐や里芋、桜形のコンニャク煮などなど車窓を眺めながら食べたいおかずが盛り込まれている。何種類ものすき焼き弁当を調製している淡路屋の専売特許のような駅弁だ。小分けされた器のひとつには、播磨・淡路の郷土料理イカナゴのくぎ煮が。これだけあれば、ビール一杯は十分にいける。
同シリーズは「春のあじわい」(900円)、「春の彩り弁当」(1100円)もコゴミや山菜が味わえる。ぜひ手に取ってください。
■淡路屋 078-431-1682