リピート必至! コロナ禍だから生まれた、取り寄せ可能になった本当にうまい駅弁5選
街弁やデパ弁、コンビニ弁当、手作り弁当までコロナ禍における昨年からの弁当ブームはますます勢いをつけそうだ。毎日食べるには少しだけ値段が高い駅弁は、以前は旅という”ハレ”の日の特別な弁当だった。しかし、たくさんの駅弁が通販で日常的に取り寄せられるようになり、”家 de 駅弁(いえべん)”を楽しむ人が増えた。
低カロリー、野菜中心のおかずなどに代表される健康志向、燃えるゴミに対応するエコ容器の推進、トレーサビリティの徹底管理など、時代に添って進化してきた駅弁。旅に行けないので駅弁が食べられない。旅人がいないので駅弁が売れない。昨年はなんと売り上げ9割減という悲鳴もあちこちの調製元から聞こえてきた。
しかし、そんな状況だからこそ、新しい企画が生まれる。駅弁業界の社長、旦那さんたちはアイディアマンが多いのだ。これから紹介する駅弁5選はコロナ禍に生まれた、すべて取り寄せができるうまい!駅弁。必ずリピートしたくなること必至である。
SL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム/東武日光駅(栃木県日光市)
日光にはJR日光駅と東武日光駅があるが、駅弁が販売されているのは東武日光駅。両駅は隣接しているが、乗降客は圧倒的に東武のほうが多い。
東武日光駅の名物駅弁は、なんといっても「日光鱒寿し」。塩と米酢で締めた上等なマスを、生ゆばを挟んだ寿司めしにのせたもので、一度食べたら忘れられないうまさ。ごはんは栃木県の米どころ高根沢町産のコシヒカリを使っており、厚みのあるマスと生ゆばの絶妙な量が寿司めしを引き立てている。
今年8月7日、その鱒寿しをSL大樹にのせた新駅弁「SL大樹日光埋蔵金弁当プレミアム」が発売された。SL大樹を模した容器は重厚感、高級感があり食べたあとには小物入れにもなる。SLファンならずとも欲しくなる。
鱒寿しとともに添えられているのは金のシャベルスプーンと金のミニ日本刀!いや日本刀ではなく金色のナイフだ。金の刀で日光鱒寿しをカットして金のシャベルスプーンで「いただきます!」。まるで殿様になった気分だ。
ちなみにシャベルスプーンには「SL大樹C11 207」、金色大樹の刃には「SL大樹C11 325」の刻印入り。こんなところにもこだわりが見られる。
SL容器はきっと部屋のどこかに飾りたくなる。(日光鱒鮨本舗/2000円)
モー太郎弁当/松阪駅(三重県松阪市)
いまや取り寄せ弁当の人気ナンバーワン。メディアの登場も多いのでご存知の方もいるだろう。新竹商店は、創業115年を超える松阪の老舗弁当店。すき焼き肉がどっさりご飯のうえにのった「モー太郎弁当」は2002年に発売以来、ずっと人気の駅弁だ。
素材は、松阪市中町にある精肉店「丸中本店」から仕入れた黒毛和牛のすき焼き肉を使用し、生姜風味のタレを絡めてている。冷めても硬くならない極上の牛肉はもちろん、三重県産のコシヒカリを炊いたご飯も香り高くうまい! 当然、肉をやわらかくする添加物や保存料は一切使っていない。
パッケージにもこだわっている。素材がホルスタイン種とは異なるのを全面に打ち出すため、容器は黒毛和牛の顔をかたどった。上フタの裏側には光センサーをつけており、ふたを開けると童謡『ふるさと』のメロディーが流れる。日本初のメロディー付き駅弁である。
百貨店などで開催される駅弁大会では、あっという間に売り切れることから、ついたあだ名が「秒殺のモー太郎」。その真の実力をぜひ家でも味わってほしい。(駅弁のあら竹/1500円。
武士のあじ寿司-基本セット(2人前)/修善寺駅(静岡県伊豆市)
修善寺駅に名物「あじ寿司」あり。
ふたを開けると、ご飯の上いっぱいにのったアジ。たった今、目の前でさばいたような色、ツヤ、厚み。ほのかに漂ってくるのは桜葉の甘い香りだ。
使用するアジはその日に伊豆近海で揚がったものに限定。鮮魚店が毎朝アジを届けてくるが、身のしまりが悪いものは一切使わない。
塩をふって約40分おき、特製の酢で約10分しめる。しめ具合はアジの状態を見て秒単位で変えていくという繊細な職人技が、この素晴らしいアジの味を作り上げる。 「アジを生かすも殺すもしめ具合で決まります」と社長の武士(たけし)東勢さん。
松崎の特産である桜葉の塩漬けと生レモンも、見逃せない名脇役。ご飯とアジの切り身との間にしのばせた1枚の桜葉漬けが、桜のほのかな風味を醸し出す。福井県の専門店から特注で取り寄せる和紙を使った弁当箱も高級感を引き立たせている。
武士さんご一家で作るあじ寿司。大女将のひさ子さんは修善寺駅の売店の”看板娘”としてご活躍。修善寺に行くたびに世間話をするのを楽しみにしている。それにしてもすごい駅弁、日本一のアジ寿司、なかなか修善寺に行けないが、今は取り寄せできるからありがたい。
「武士のおうち駅弁」と題した舞ずしの取り寄せ商品は、「武士のあじ寿司」が家で調理できる素材セット。肝となるアジはもちろん、桜葉、刻みショウガ、レモン、そして米やすし酢、生わさび&卸し金、本物の駅弁容器と袋入り割り箸まで揃っている。
届いたら米を炊いてすし酢を混ぜ、完成写真を見ながら同じように容器に盛り付け、掛紙をかけたら完成! できた、まさに修善寺駅で買う「武士のあじ寿司」そのものの味。おいしく食べるだけでなく、作る楽しみも体験できる貴重な駅弁。駅弁ファンならずともこの楽しさを知ったらまた作りたくなる。たまりません。
セット内容はアジが多めに入っているほか、生わさびも十分に残る。2人前の駅弁だけでなく、さらにもう一度アジ丼やわさびめしが食べられる。シアワセである。(舞ずし/5000円)
敬老の日記念ひっぱりだこ飯/新神戸駅ほか(兵庫県神戸市)
ハローキティやゴジラとコラボしたり、金色、銀色の容器にしたりと、続々とユニークな「ひっぱりだこ飯」が登場してきたが、今度は敬老の日限定版が発表された。
「敬老の日記念ひっぱりだこ飯」は、めでたさ満点で、タコの旨煮をはじめ、アワビや鯛塩焼きなど、豪華で高齢の人でも食べやすい食材を盛り付けた。
掛紙には翁と媼の夫婦タコのイラスト。秋らしく紅葉も散っている。9月18日~9月20日の到着限定の駅弁という希少価値にも注目したい。
たまにはジイさま、バアさま孝行してみたらいかが。
(淡路屋/1500円 ※予約受付中)
母恋めし/母恋駅(北海道室蘭市)
母恋(ぼこい)という地名は、アイヌ語の“ポク・オ・イ”からつけられたといわれる。その意味は、「ホッキ貝がたくさんある場所」。ホッキ貝はウバガイ(姥貝)を正式名称とする二枚貝で、室蘭の内浦湾や苫小牧などでよくとれる。地元名産のホッキ貝の炊き込みご飯をおにぎりにしたのがこの駅弁だ。
炊き込みご飯は、手間を惜しまずにつくられている。まず地元の湧き水に昆布と鰹節を入れたダシ汁に醤油や酒、味醂、蜂蜜などを加えて煮立てる。沸騰が収まったらホッキ貝を入れ、色が変わったら貝を取り出す。釜に北海道産米を入れ、薄切りにしたシイタケやダシ汁などを加えて炊き上げる。最後に、取り出しておいたホッキ貝を入れ、おにぎりの形に仕上げて完成だ。おにぎりは2つで、ひとつは貝殻の中に入っている。ラップをはがしてほお張ると、ほのかな甘さが感じられて、とてもおいしい。 リンゴのチップでいぶす燻製チーズ、ゆで卵を塩漬けにした燻製卵なども添えられている。
今では香港や台湾など海外にもよく知られる「母恋めし」、駅弁の発送は北海道内限定だが、冷凍の母恋めしおにぎり5個セットなら全国から取り寄せできる。毎日50個以下の調製、午前中に完売するため”幻の駅弁”といわれる「母恋めし」が家で食べられる。よい時代になったなあ。
ところで、駅弁ではないが、最近販売した「ほたてご飯の素セット」がイケている。 室蘭産のホタテの燻製と、細切りのヤヤン昆布、シイタケ、だしなどの”素”とご飯をまぜて炊き込むだけ。簡単でうまいほたてご飯、母恋めしとともに取り寄せてはいかが。(母恋めし本舗/母恋めしおにぎり(冷凍)5個入り1620円、ほたてご飯の素セット1215円)
【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】