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ウクライナ軍、小型民生品ドローンから爆弾投下の訓練動画公開

佐藤仁学術研究員・著述家
(写真:ロイター/アフロ)

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻してから、ロシア軍によるウクライナへの攻撃やウクライナ軍によるロシア軍侵攻阻止のために、攻撃用の軍事ドローンが多く活用されている。また民生品ドローンも監視・偵察のために両軍によって多く使用されている。

ウクライナ軍では小型の民生品ドローンに爆弾を搭載して、地上のロシア軍の戦車や塹壕などに爆弾を投下して破壊している。そのためにウクライナ軍では小型民生品ドローンと爆弾を大量に調達している。

そんななか、ウクライナ軍のプレスサービスが制作した爆弾を搭載した小型民生品ドローンから爆弾を投下する訓練の動画を英国のメディア、ザ・サンが報じていた。

動画のなかで誰もいない草原に中国メーカーDJI製の小型民生品ドローンから爆弾を投下する訓練シーンもある。上空でドローンの留め金がカチッと外れて爆弾が投下される。動画の中でウクライナ兵のインストラクターは「この攻撃ドローンは10歳の子どもでも使えるような訓練用で、3分でドローンを離陸させる方法を学べます。戦場の最前線での戦況は全て異なりますが、誰もがドローンを飛ばせることができます」と語っていた。

小型民生品ドローンから爆弾を投下するのは、戦車や戦闘機の操縦方法の習得に比べると簡単であり、誰でもすぐに習得することができる。それでも上空から爆弾を投下するので破壊力はあり、ウクライナ兵が犠牲になりにくく効率よく攻撃もできるので、コストパフォーマンスは高い。

ウクライナ軍では小型民生品ドローンに爆弾を搭載して、標的に突っ込んでいき爆発する、いわゆる神風ドローンでもロシア軍に攻撃を行っている。神風ドローンは1回標的に突っ込んでいったら爆発してドローンも破壊するので再利用はできない。だが、小型民生品ドローンから爆弾を投下するタイプでの攻撃は、ロシア軍に破壊されない限り、何回でもドローンを再利用できる。

ウクライナ軍ではロシア軍が置き去りにしていった戦車などが再利用されないようにしたり、ロシア軍の塹壕を破壊するために、小型民生品ドローンから爆弾を投下している。神風ドローンは監視タワーや走っている戦車などに突っ込んでいき爆発させている。

▼小型民生品ドローンから爆弾を投下する訓練を行う動画

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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