子供の習い事や家庭学習、教室学習などの学校外教育費はいくらぐらいなのか(2023年公開版)
子供の多くは学校での学習だけでなく、ピアノやダンス、水泳のような習い事、オンラインや家庭教師による家庭学習、専用の教室で複数人数が集まって学校の授業のように学習をする教室学習に取り組んでいる。これら学校外教育に関して、どれほどの費用がかかっているのだろうか。ソニー生命保険が2023年3月に発表した調査結果「子供の教育資金に関する調査2023」(※)から、その実情を確認する。
次に示すのは学校以外での教育費、つまり学校外教育費の平均支出金額。1か月あたりの金額の平均となっている。
最古の調査年となる2016年での1万240円から少しずつ増加を示したものの、2019~2020年でほぼ頭打ち、そして2021年では大きく落ちる形となった。新型コロナウイルスの流行で景況感が後退し、学校外教育費に対してですら、財布のひもがきつくなったのかもしれない。それでもその翌年は前年比でプラス、1万4429円を示しており、その新型コロナウイルスの流行という社会環境に慣れた、少なくとも景況感の判断の上では多少ながらも改善しているとの認識が高まった結果かもしれない。直近の2023年もその傾向は継続しており、記録のある中では最高額金の1万6861円となった。
これを子供の就学段階別に見たのが次のグラフ。
折れ線同士がクロスすることはないため、金額的には未就学児が一番低く、次いで大学生など、小学生、そして中高生が一番高い値となる。上下度合いはどの就学段階も同じような動き方で、2019年の大学生などの減少ぶりが少々イレギュラーに見える程度。2021年では中高生は微減で済んでいるが、それ以外の就学段階では大きな減少を示しており、新型コロナウイルスの流行は多くの子供たちの学校以外での教育機会を損なった可能性がある。もっともこれは見方が逆で、新型コロナウイルスの流行で学校以外での教育機会が損なわれ(外出自粛などでの休業)、結果として支出金額が減ってしまったのかもしれない。
直近の2023年では全就学段階で前年から増加している。これも全体動向同様、前年と比べれば新型コロナウイルスの流行という社会環境に慣れた、少なくとも景況感の判断の上では多少ながらも改善しているとの認識が高まった結果なのだろう。特に大学生などの増加幅が大きく、4000円以上も積み増しされている。コストが大きくなることが多い、デジタル系の教育に使われたからだろうか、大いに注目すべき動きではある。
■関連記事:
【自宅学習や塾やスイミングスクールなどの習い事、幾らぐらいかけてます?】
【子供1人あたり942.5万円…高校入学から大学卒業までにかかる教育費用の実情(最新)】
※子供の教育資金に関する調査2023
2023年1月26日から27日にかけて、大学生以下の子供がいる20歳以上の男女を対象に、インターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。保護者の男女別、子供の男女別、子供の通う学校(未就学、小学校、中学校・高校、大学・短期大学・専門学校・予備校)別でそれぞれほぼ均等割り付け。調査協力会社はネットエイジア。
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。