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【河内長野市】埋葬者はいったい誰?観心寺の近くにある、宮内庁管轄の檜尾塚・陵墓参考地に行ってきました

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野を含めた南河内地域には、南朝の足跡が色濃く残っていますね。例えば観心寺境内にある楠木正成首塚や南朝の2代目である後村上天皇陵などもそのひとつですが、その他に南朝ゆかりのものと考えられるものが、観心寺のすぐそばにある檜尾塚(ひのおづか)です。

檜尾塚の場所は観心寺バス停のすぐ近くで、観心寺よりもバス停に近い場所にあります。画像にバス停が見えその先に住宅がありますが、その奥の緑に覆われた裏山の中に檜尾塚があります。

檜尾塚は宮内庁が管理しています。それは陵墓参考地(りょうぼさんこうち)だからで、埋葬者が特定できないが、陵墓の可能性が高い場所という意味です。

この時、河内長野行きのバスが来るのに少し時間があったので、見に行ってみることにしました。ここはバス道より一本北側の道です。奥に見えるのが寺元交差点です。

こちらが入口です。山の上にあるようです。案内板などは見当たりません。

手すりも無いので慎重に登らないといけません。

思ったよりも奥のほうにあります。観心寺境内の後村上天皇陵の時もそう思いましたが、陵墓まで行くのは結構高いところまで登る必要があるようです。

どこまで続くのかなと思っていたら、ようやくゴールが見えてきました。

バス停からなら、大体5〜10分あれば登れます。

あと一息です。緑に囲まれてひっそりしたところに陵墓がありました。

無事に到着しました。こちらが檜尾塚陵墓参考地です。立ち入りができないようになっています。

このように立て札があり、この場所は皇族(南朝)に関係する場所として宮内庁が管理しています。

遠くに仏塔の一種である宝筐印塔(ほうきょういんとう)らしきものが見えますが、立ち入り禁止エリアなのでこれ以上の確認はできません。

では、誰が埋葬されているのでしょうか?1993年発行の陵墓要覧によれば、全国で46基ある陵墓参考地のうちのひとつで、檜尾塚陵墓参考地として記載。該当する可能性がある人が「後醍醐天皇女御尊称皇太后藤原廉子新待賢門院」と書いてあります。

新待賢門院(しんたいけんもんいん)は阿野廉子(あのれんし)という名前で、後醍醐天皇の妻で御村上天皇の母親です。1359年に観心寺で亡くなった(崩御)とあります。そして新待賢門院の墓は、画像のように観心寺境内の後村上天皇陵の手前にあります。

ところが、右上の立て札を見るとこちらも陵墓参考地のひとつで、コウボ坂陵墓参考地と呼ばれるものです。陵墓要覧にも載っていて該当する可能性がある人が「後醍醐天皇女御尊称皇太后藤原廉子新待賢門院」と檜尾塚陵墓参考地と同じ人物です。

つまり、新待賢門院こと阿野廉子のお墓の可能性があるのが近くに2か所あって、どっちなのかよくわからないとのこと。そのためもうひとつは、南朝3代目で後村上天皇の子である長慶天皇の墓という説もあるそうです。

ただ宮内庁では、京都市右京区嵯峨天竜寺角倉町にある嵯峨東陵を長慶天皇陵として治定しています。また同じ市内鳩原の川上神社の境内など27ヶ所も長慶天皇陵の候補地があるので、真実は闇の中ともいえます。

宮内庁が管理している陵墓ということもあり、研究者がみだりに発掘もできませんし、誰の陵墓であるかが明確になるのはよほどの発見がない限り難しいのでしょうね。ただこのような歴史浪漫のある場所が河内長野には本当にたくさんあると思います。

ということで、下に降りました。落ち葉も多くあまり人が踏み入れていないこともあり、少し歩きづらいですが、歴史や南朝に興味のある方は一度訪れてみてはいかがでしょう。ただし、くれぐれもお気をつけて上り下りしてください。

檜尾塚・陵墓参考地

住所:大阪府河内長野市寺元

アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 観心寺バス停から6・7分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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