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ウクライナ軍、ロシア軍の侵攻直後から破壊したロシア軍の大砲5000門突破

佐藤仁学術研究員・著述家
カモフラージュのネット(金網)で大砲を神風ドローンから防衛(写真:ロイター/アフロ)

2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻してから2023年8月9日までにウクライナ軍が破壊した大砲の数が5000門を突破した。

ウクライナ軍では2022年2月24日にロシア軍に侵攻されてから殺害したロシア軍の兵士の数、破壊した戦車、戦闘機など兵器の数をほぼ毎日公表している。

2022年12月29日にウクライナ軍が破壊した大砲は2000門に達した。約4か月後の2023年5月7日までに3000門を突破。2023年6月24日までに4000門、そして2023年8月9日に5000門に達した。ここ最近では約1か月半で大砲1000門を破壊している。

ウクライナ軍ではロシア軍の装甲戦闘車両や戦車、大砲をミサイルやドローンで攻撃して破壊することが多い。偵察監視ドローンが上空から大砲を探知したら、ミサイルを撃ちこんだり、攻撃ドローンで攻撃したりして破壊している。小型民生品ドローンに爆弾を搭載して突っ込んでいき爆発させるいわゆる神風ドローンのタイプで、上空から大砲に突っ込んでいき大砲を破壊している。また小型民生品ドローンから爆弾を投下して破壊することもある。神風ドローンや小型の民生品ドローンでの爆弾投下によってロシア軍の大砲を破壊しているシーンの動画もよく公開されている。

ロシア軍だけでなくウクライナ軍も神風ドローンから大砲を守るためにネット(金網)で大砲の周りを囲み、草木などでカモフラージュして防衛している。カモフラージュといっても周辺に落ちている木の枝や葉っぱをネット(金網)の上に置いているだけの即席なカモフラージュも多い。

このようなネット(金網)はそれなりに効果があり、上空からドローンが攻撃してきてもネット(金網)にひっかかり爆発しないので、大砲を防衛することができる。だがそれでも複数回にわたって神風ドローンによって攻撃をされることによってネット(金網)を突き破って大砲を破壊されることが多い。

▼ロシア軍の大砲5000門破壊突破を伝えるウクライナ軍の公式SNS

ウクライナ軍提供
ウクライナ軍提供

▼ネット(金網)でロシア軍の神風ドローンから防御しているウクライナ軍の大砲

写真:ロイター/アフロ

学術研究員・著述家

グローバルガバナンスにおけるデジタルやメディアの果たす役割に関して研究。科学技術の発展とメディアの多様化によって世界は大きく進化してきました。それらが国際秩序をどう変化させたのか、また人間の行動と文化現象はどのように変容してきたのかを解明していきたいです。国際政治学(科学技術と戦争/平和・国家と人間の安全保障)歴史情報学(ホロコーストの記憶と表象のデジタル化)。修士(国際政治学)修士(社会デザイン学)。近著「情報通信アウトルック:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)「情報通信アウトルック:ビッグデータが社会を変える」(同)「徹底研究!GAFA」(洋泉社・共著)など多数。

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