NY金19日:FOMC後の売買一巡で、小動きに終始
COMEX金8月限 前日比比0.10ドル安
始値 1,201.80ドル
高値 1,204.00ドル
安値 1,198.00ドル
終値 1,201.90ドル
米連邦公開市場委員会(FOMC)を受けての買い戻し圧力が一服する中、ほぼ横ばいでの推移になった。
アジアタイムから終日1,200ドルの節目を挟んでの小動きに終始している。為替がややドル高気味に推移したこともあり、週末を前に1,200ドル台から更に上値を試すような動きは見られなかった。しかし、ギリシャ債務問題に強い先行き不透明感が残る中、積極的に売り込むような動きもみられず、明確な方向性を打ち出せていない。
ギリシャ債務問題に関しては、本日は特に大きな動きは報告されていない。ギリシャ債利回りも本日は低下しており、一段と安全資産に対する資金シフトを進めるようなニーズは高まらなかった。欧州中央銀行(ECB)は19日の緊急電話会議でギリシャの銀行向けの緊急流動性支援(ELA)の上限引き上げを決定しており、当面の金融危機を回避する働きかけを行っている。ただ、危機収束にはギリシャと債権団との間の合意が必要不可欠であり、22日に予定されているユーロ圏財務相会合が注目されている。ギリシャ政府は緊縮財政の継続はできないとの立場を繰り返し表明しており、なお先行き不透明感は強い。
マーケットでもギリシャのデフォルト(債務不履行)の確率を読みきれておらず、月末までに危機が収束に向かうとの見方と、これをきっかけにユーロ圏の金融システムが再び不安定化するとの正反対の見方が交錯している。ただ、いずれにしてもこの問題に対する警戒感が払拭されるまでは、金価格の下値不安は限定されることになる。
基本的には月末までにデフォルトイベントを回避する方向で合意がまとまると見ており、ギリシャリスクを織り込んで金価格が上昇するような場面があれば、売り場になると考えている。ただ終着点が見えてくるまでは、リスク回避の動きが金価格をサポートすることは否定できない。チャートでは、このまま200日移動平均線(1,207.50ドル)で上値を抑えられるのかが試される。