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週明けは関東平野部でも雪に注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
雪の表参道(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

週明けに南岸低気圧が通過へ

南岸低気圧の予想(ウェザーマップ)
南岸低気圧の予想(ウェザーマップ)

週明けの関東地方における雨や雪の最新情報をお伝えします。

結論から言うと、日本の南を進む低気圧(南岸低気圧)の通過が遅くなってきており、25日(火)午後にかけて、関東の南海上を通過する見込みです。このため、降水現象は24日(月)ではなく、ほぼ25日(火)に限定され、また下層寒気の流れ込みがやや強まる予想となっているため、平野部でも雪となる可能性がやや高くなってきている状態です。

下層寒気が流れ込む予想に

暖湿気と下層寒気の予想(ウェザーマップ)
暖湿気と下層寒気の予想(ウェザーマップ)

上空1500メートル付近の下層寒気の流れ込みをみると、雪となる可能性がある0度以下の寒気、雪となる可能性が高まる-3度以下の寒気、ともに再び関東地方に流れ込む予想に変わってきており、特に25日(火)午前3時にみられるような-3度以下の寒気が関東地方にくさび状に流れ込む形は、関東平野部でも雪となる典型的なパターンとも言えます。

もしこの計算通りにことが運べば、東京都心を含めて、みぞれや雪となる可能性が高まり、多摩地方や埼玉以北を中心に、積雪が生じるような雪となってもおかしくありませんが、難しいのが南岸低気圧の予想がまだかなりばらついていることです。

まだ予想のばらつきが大

気象庁のアンサンブル予報とアメリカのGFS予報(ウェザーマップ)
気象庁のアンサンブル予報とアメリカのGFS予報(ウェザーマップ)

上図は約50通りある気象庁アンサンブル予報(左)とアメリカのGFSモデル(右)です。

気象庁のアンサンブル予報(左)における赤い丸は、それぞれの計算における低気圧の位置を表しており、25日(火)午前9時の様子でも分かる通り、四国沖から関東の東海上までばらついており、また関東の沿岸を通るものや南を離れて通るものなど、通過する緯度にも差異がみられる状態です。

またアメリカのGFSモデル(右)をみると、同じタイミングで低気圧すら発生させておらず、モデルによっては、降水現象さえ計算をしていないものも存在しています。

これらは今後、週明けが近付くにつれて予想がまとまってくることになるのですが、現段階ではまだ一つの予想に絞るのは困難な状態です。

25日(火)は関東平野部でも雪に注意

天気分布予想(ウェザーマップ)
天気分布予想(ウェザーマップ)

予想はまだ困難なのですが、アンサンブル予報をもとにしたウェザーマップの予報では上図の通りとなっています。

25日(火)未明から明け方にかけて、甲信地方から関東地方へも降水域がかかり始め、沿岸部は雨、内陸は雪で降り出す所が多くなるでしょう。

そして、出勤時間となる朝から昼前にかけて、埼玉以北や多摩地方などでは雪が主体となり、東京23区あたりでも雪の計算となっています。昼過ぎ以降は、下層寒気が弱まるため、雪で降るのは、山沿いが中心となる予想です。

約50通りあるアンサンブル予報で、東京23区あたりの計算をみてみると、ある程度の降水がある確率は80%以上で、この内、半数以上が雪を計算しており、雪の確率は50%近くに達しています。また積雪が生じたり、大雪となりそうな確率も20%程度ある状態です。

ちなみに気象庁が発表している25日(火)の予報は、東京地方神奈川埼玉など多くが曇り一時雨か雪、群馬山梨など内陸や山沿いは曇り一時雪か雨となっています。

今後も最新情報にご注意下さい。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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