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【部屋飲みしようぜ】日本から持ち込んだ酒がすべて没収⁉ 知っておきたい海外お酒事情

岩佐史絵トラベルジャーナリスト
景色のいい部屋をアサインしたなら、部屋飲みもひとつのお楽しみ

 いよいよゴールデンウィークに突入! 久しぶりに海外旅行にでかける人も多いことでしょう。しかしながら、円安ゆえに節約を考えている人もいるはず。なんでもかんでもケチケチしてはつまらないものの、寝酒程度に楽しむならレストランやバーへ行かず、ホテルの部屋で飲めばいいんじゃね? なんなら酒も日本から持っていけばいいのでは? なんてもくろんだりしていませんか。

 実は筆者、部屋飲みのエキスパート(言い過ぎ)。なぜなら、海外では女性がひとりで飲みに行く文化がないため、ひとり旅の際や取材のあとにちょっと一杯飲みたいな~、なんてときには必然的にホテルでの部屋飲みになるのです。素敵なバーがある高級ホテルに宿泊している場合はセキュリティ面でも安心なのでその限りではありませんが、いずれにせよ懐具合が気になっちゃったりして1、2杯しか飲めないぜ……ということもままあり。部屋飲みに落ち着くことが多いのでした。

ホテルのバーでのひとときも旅先のお楽しみのひとつ。とはいえ、ぼっちではなかなかハードルが高いのもまた事実。写真はクアラルンプール(マレーシア)で大人気のホテル「EQ」のルーフトップバー『BLUE』
ホテルのバーでのひとときも旅先のお楽しみのひとつ。とはいえ、ぼっちではなかなかハードルが高いのもまた事実。写真はクアラルンプール(マレーシア)で大人気のホテル「EQ」のルーフトップバー『BLUE』

EQ BLUE

部屋飲みってしてもいいもの?

 部屋飲みすること自体はNGではなく、ちょっといいホテルになると各部屋にミニバーがあり、冷蔵庫内にソフトドリンクやビールなどが冷やされ、ウイスキーやワインなどのミニボトル、さらにはおつまみまでそろっているという充実ぶり。これはもう「たんとお飲み」と言われているようなものです。ただし、ミニバーに設置されているドリンクやスナック類は有料である場合がほとんど。なにを飲み食いしたか、自ら注文シートに書き入れチェックアウト時に精算するシステムです。

 コーヒーと紅茶(日本茶やハーブティーがあることも)、水は無料サービスであることが多いものの、たとえばローカルの水は無料(「Complimentary」と明記されていることが多い)でもミネラルウォーターは有料といったようにわかりづらいことも。その場合は、前述の注文シートにリストされていれば有料と判断することができます。

 リゾート地ではミニバーもすべて宿泊料金に含まれているということもあります。チェックイン時にその説明がありますので、聞き逃さないようにしましょう。

ビールやソフトドリンクが入ったホテルの冷蔵庫。グアムのリーガロイヤルでは冷蔵庫内の飲み物はすべて無料だが、リフィル(補充)を希望する場合は有料になるシステムだった(昨年2月滞在時)
ビールやソフトドリンクが入ったホテルの冷蔵庫。グアムのリーガロイヤルでは冷蔵庫内の飲み物はすべて無料だが、リフィル(補充)を希望する場合は有料になるシステムだった(昨年2月滞在時)

Rihga Royal Laguna Guam Resort

 一方、外で買ってきたものを室内で飲むのは? これも絶対NGというわけではありません。ミニバーがないホテルも多いし、あっても好きなお酒やうれしいお値段のものがなかったりした場合、持ち込みをしたいと思うことでしょう。「持ち込みしないでください」と明確に断られている場合は別ですが、そうでなければ持ち込みをとがめられることはありません。

レジデンツタイプのリッツカールトン ワイキキではウェルカムスナックがどう見てもワインのつまみ! というわけでボトルワインを買ってきて部屋飲みという幸せ時間に。
レジデンツタイプのリッツカールトン ワイキキではウェルカムスナックがどう見てもワインのつまみ! というわけでボトルワインを買ってきて部屋飲みという幸せ時間に。

The Ritz-Carlton Residence Waikiki Beach ※ウェルカムスナックの有無は宿泊プランによります

購入時も注意! 国によって異なるルールや法律

 部屋飲み用にスーパーやコンビニでお酒を購入する場合、その国のルールがあるので気をつけましょう。

 たとえば、アメリカをはじめ多くの国では飲酒できる年齢は21歳から。東洋人は欧米人に比べ若く見える傾向にあるので、身分証明書(ID)の提示を求められることもあります。巷でバズっているコンビニ年齢確認動画さながらに、明らかに21歳より年上な感じでも年齢確認されますが、IDを持っていないと本当に売ってもらえません

 ハワイなど日本人観光客が多い地域では日本の運転免許証でもIDとして有効とされることもありますが、パスポートならすべて英語とローマ字で表記されているため問題ないでしょう。酒類を購入する際にはパスポートを忘れないようにしたいものですが、盗難や紛失があると予定通りに帰国できなかったりするので、扱いには十分注意してください。

ローカルビールがいっぱいのパブ。飲酒に関しては購入だけでなく飲食店でもID提示を求められることがある。筆者は若いころからどこへ行ってもぜんぜん年齢確認されなかったけどね。かわいそう⁉
ローカルビールがいっぱいのパブ。飲酒に関しては購入だけでなく飲食店でもID提示を求められることがある。筆者は若いころからどこへ行ってもぜんぜん年齢確認されなかったけどね。かわいそう⁉

 また、お酒を購入できない日や時間帯が設けられているほか、酒税が高くアルコールが非常に高い国もあります。

 たとえば、タイでは酒類の販売時間が11時から14時、17時から24時までと決まっていて、国の重要な祝日などは禁酒日とされ、丸一日販売不可となっています。販売時間以外ではお酒コーナーが隠されていたり、レジに持って行っても販売を拒否されたり。これは飲食店でも例外ではないはずなのですが、こちらはだいぶユルいもよう。ただし、禁酒日はバーなど飲酒を目的とするお店は営業自体ができない決まりになっています。

 国教がイスラム教という国でも注意が必要です。国民の半数以上がイスラム教徒であるマレーシアでは酒税が高いため、ほかの飲食物の物価と比べるとビールですら意外と高いな、と感じることでしょう。より戒律の厳しい国ではそもそも酒類を扱っているお店自体があまりなく、手に入れることそのものがちょっと大変だったりします。サウジアラビアは「禁酒国」ですので、一般人がお酒を買えるお店はありません

バンコクの屋台ではお酒を販売していないところが多い。とはいえ、飲食店では隣のお店からビールだけ出前、のようなユルさを目撃することがけっこう多い
バンコクの屋台ではお酒を販売していないところが多い。とはいえ、飲食店では隣のお店からビールだけ出前、のようなユルさを目撃することがけっこう多い

選ぶのが楽しい! 変わるお酒コーナー

 ちなみに、ここ数年で海外のお酒事情もだいぶ変わりました。以前はスーパーやコンビニに並ぶお酒のチョイスってビールとワインくらいしかなかったのですが、Hard SeltzerやWellsと呼ばれるチューハイ的なアルコール入り炭酸飲料(原材料ごとに呼び方は異なります)が充実し始めています。こうした炭酸入りアルコール飲料も、ちょっと前まで甘いものしかなかったのですよ。これが近年、日本でもドライなものが増えているように、海外でも甘くないものを見つけられるようになってきました。種類も増え、選ぶのが楽しいので、部屋飲みでそれらを試してみるのはひとつのアクティビティといえましょう。

ワイキキマーケットのお酒コーナーの一部。セルツァーやカクテル、お茶割(でも甘い)など、とにかくお酒の種類やテイストが増えた。半分以上がビールで、クラフトビールが多くなってきたのも万国共通
ワイキキマーケットのお酒コーナーの一部。セルツァーやカクテル、お茶割(でも甘い)など、とにかくお酒の種類やテイストが増えた。半分以上がビールで、クラフトビールが多くなってきたのも万国共通

Waikiki Market

タイのクラフトビール。お土産にもなりそうなかわいいエチケットで、見ているだけでいろいろほしくなる
タイのクラフトビール。お土産にもなりそうなかわいいエチケットで、見ているだけでいろいろほしくなる

 お酒を買ってるんるんとホテルに戻る途中、冷たいうちに散歩がてら飲みながら帰るか……なんてことはゆめゆめ考えてはいけません。公共の場所(駅や道路、歩道や公園など)でお酒を飲むことを法律で禁じている国は意外に多く、歩きながらお酒を飲んでいるのが見つかれば罰金ということもあります。特にビーチは要注意で、お酒を出すお店の敷地内やホテルのプライベートビーチなど飲める場所が限定的であったりします。お酒を飲んでもいいかどうか、ホテルなどでルールを確認しておきましょう。

ワイキキビーチは飲酒禁止。飲みたくなったらビーチサイドにあるお店へGO!
ワイキキビーチは飲酒禁止。飲みたくなったらビーチサイドにあるお店へGO!

節約のつもりが割高に? 日本から持ち込む際の注意

 海外でもふだんから飲んでいるお気に入りのお酒を飲みたい。現地で少しでも節約したい。そんな気持ちから、お酒を日本で買って持っていく人もいるでしょう。その場合の注意点はいくつかありますが、まずは持ち込むお酒の量が免税範囲内であること。国によって免税範囲はまちまちですが、だいたい1リットルまで、という国が多いようです。アルコール度数に応じて持ち込める量が異なる場合もありますので、持っていく際は渡航先の免税範囲を調べておけば安心です。範囲を超えた分についてはその国で定められた輸入税を支払えばOK。国によって酒税が違いますから、場合によっては高額になることも。また、前述のサウジアラビアのようにアルコール自体持ち込み不可という国もあり、その場合は空港でいったん没収され、帰国時に返却されるそうです。

 日本の空港免税店で出発前に購入して機内に手荷物として持ち込むことは可能ですが、乗継便を利用している場合、乗り継ぎ地空港の保安検査場で持ち込み不可とされることがありますので、利用する航空会社に要事前確認です。

逆も然り。現地でしか買えないウイスキーなど、日本に買って帰る際は免税範囲にご注意。日本の場合、760mlを1本とカウントし、3本まで免税なので、大きいサイズのお酒の場合は気をつけて
逆も然り。現地でしか買えないウイスキーなど、日本に買って帰る際は免税範囲にご注意。日本の場合、760mlを1本とカウントし、3本まで免税なので、大きいサイズのお酒の場合は気をつけて

 もろもろ、注意事項ばかりを述べましたが、最も注意したいのは羽目を外しすぎないことでしょう。気軽で楽しい部屋飲みですが、他人の目がないがゆえについつい飲みすぎてしまう可能性をはらんでいます。ホテル室内の備品を壊してしまったり、隣近所に迷惑なほど大声で騒ぐなどもってのほか。ほどほどに楽しく、を心がけたいですね。

楽しい旅を!

トラベルジャーナリスト

旅活歴は四半世紀以上のフリーランス トラベルジャーナリスト。3か月ごとに拠点を変えながらのノマドライフを夢見て、「この町に住んだなら」を妄想しつつ旅を続けます。その土地のリアルな文化を知ることで、旅はぐっと楽しくなるもの。じんわり心地よい旅先探訪中に出合ったいろいろをご紹介します。

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