不安神経症になりやすい人ってどんな人?当てはまる共通点は…
こんにちは、精神科医しょうです。
人は不安と恐怖を感じると思い詰め、時に病気を誘発してしまうことがあります。
特に日常の中で負の感情を抱き続けていると、身体的にも精神的にも負担となり、社会生活に大きな影響を与えてしまいかねません。
私たちにできることは病気を正しく理解し、日頃からストレスの原因となっているものに対して適切な対処を取ることが求められます。
今回は不安や恐怖を慢性的に持ち続けてしまった結果、発症する「不安神経症」という病にスポットを当てて、解説したいと思います。
不安神経症とは?
不安や恐怖の感情が常に付きまとい、日常生活を送る上で支障をきたしてしまう病気です。
不安神経症意外にも神経症の中には「パニック障害」「社会不安障害」「強迫性障害」などが含まれます。
多くの方は、不安や恐怖を感じても、それを対処して過ごすことができますが、中には慢性的に負の感情を抱き根拠のない不安や心配を感じ、日常生活に支障をきたしてしまう方がおられます。
不安を感じる対象が明確でないこともあり、気になることがあれば苛立ったり、集中できなくなってしまったりなどの病的不安があらわれたりします。
不安神経症になりやすい人の共通点とは?
不安や恐怖に苛まれ続けると、誰でも神経が過敏になり、不安神経症を発症するリスクが高くなりますが、その人の生まれ持った性格や生まれ育った環境などにより、発症する人としない人に分かれます。
では、どんなタイプの人が発症するリスクが高いといえるのでしょうか。
いくつか紹介します。
- 神経質な人
- 心配性な人
- 自己肯定感が低い人
- 完璧主義な人
- 繊細な人
などがあげられます。
上記以外にも、ストレスに対して耐性があまりない人も発症するリスクが高いと言えるでしょう。
不安神経症の主な症状とは?
不安神経症を発症するとあらわれる主な症状について、精神的な症状と身体的な症状に分けて、いくつかあげてみました。
<精神的な症状>
- 意気消沈する
- 八方ふさがりの感じがする
- いつも何かに怯えている
- 何事にも興味が持てない
- 落ち着かない
- すぐに苛立つ
- 集中できない
<身体的な症状>
- 疲れがとれない
- 消化が悪い
- 心臓の鼓動が早くなる
- 胸騒ぎがする
- 手が汗ばむ
- 深く呼吸ができない
- よく眠れない
- 眩暈がする
- 頭痛がする
などの症状が見受けられます。
しかし、上記の症状があるからといって、必ずしも不安神経症だとは言えませんので、心配な方は、必ず医療機関を受診し医師から診断を受けるようにしましょう。
不安神経症を発症する原因とは?
不安神経症を発症する原因は残念ながら、明確には解明されていません。
おそらく、環境や遺伝、脳機能などの要因が複雑に関与しているものと考えられています。
しかし、一般的には心理的なストレスが原因で発症することが多いとされており、男性よりも女性の方が罹患しやすい傾向があるようです。
また、人一倍繊細な方や不安を抱きやすい気質の方は発症する可能性が高いとされているため注意が必要です。
不安神経症は突然発症するというわけではなく、日頃のストレスが蓄積し、いつの間にか症状があらわれていたということも多くあります。
不安神経症を予防するには、普段からストレスを溜め込まないことや、自分なりの気晴らしをみつけるなどの対処が必要だと言えます。
不安神経症の治療方法とは?
不安神経症を治療するには、通院が必要になります。
自身が感じている負の感情は病気によるものだということを受け止め、根気よく治療していけば症状は改善されるでしょう。
治療法としては、精神面の治療として専門家からのカウンセリングと、症状によっては薬物による治療が行われます。
薬は抗うつ薬や、抗不安薬、睡眠薬などが使われます。
場合によっては、漢方薬が使われることもありますので、通院先の医師の指示に従い、用法・容量を守って正しく摂取するようにしましょう。
また、自分自身でも粘り強く向き合い、治療することが必要となりますので、まずはしっかりと休養することと、生活習慣の見直しなどをすることが先決となります。
<医療機関で行う治療>
カウンセリング
薬物による治療
<自身で行う治療>
休養を取る
生活習慣を見直す
まとめ
今回は不安神経症について解説をしました。
誰でもなり得る病ではありますが、性格や育ってきた環境によって発症しやすい人としない人がいることも否めません。
また誰しも大きなストレスに直面した時には、感情を左右されることなく、過ごすことは非常に難しいことではありますが、ある程度、自分なりの対処の仕方や発散方法を見つけておくといざと言う時に、自分を守ることができるのではないでしょうか。
今回の記事で紹介した内容を念頭に置いて、普段からストレスに対する耐性法を身に付けてみることもオススメです。
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