中国行きの航空券を持っている場合の各航空会社の対応は?新型コロナウイルス発生で特別対応
中国・武漢で発生した新型のコロナウイルスによる肺炎の影響は武漢だけでなく、中国国内全土に影響を及んでいる。既に中国では全土で団体旅行における海外旅行が禁止されており、当初は今日(1月30日)までだった旧正月も中国政府は2月2日(日)まで延長することが発表されている。
旧正月が終わり、日本から中国への出張、旅行、また旧正月で日本へ一時帰国していた人が中国へ戻るなど既に中国行きの航空券を持っている場合で、中国行きを取りやめたい場合の航空券の取り扱いについて、1月29日までに各航空会社の対応がまとまった。
国内航空会社の運休は現在は武漢線のみ
運航状況については、日本の航空会社関連では、ANA(全日本空輸)やJAL(日本航空)の中国路線では、武漢への直行便を運航するANAの成田~武漢線が、成田発2月29日出発分(武漢発は3月1日発まで)までの欠航を決めているが、1月29日現在、それ以外の路線は通常運航となっている。また、国内LCC(格安航空会社)のスプリング・ジャパン(春秋航空日本)が運航する成田~武漢線は当面の間、運航を見合わせることを発表している。
中国の航空会社を中心に今後、春節後に利用者の減少から武漢発着便以外の日本~中国路線も、路線によっては一時運休や減便する可能性が高いだろう。
各航空会社の対応は
既に予約・購入済みの航空券における各航空会社の対応について、ほとんどの航空会社が特別対応として、中国路線全てにおいて無料での変更及びキャンセル料なしでの払い戻し対応を行っている。なお、旅行会社(インターネットで購入したオンライン旅行会社での予約を含む)で購入した場合は、航空会社ではなく、旅行会社に相談することになるが、基本的な取り扱いは同じだ。
中国へ就航する日本の航空会社の対応は以下の通りだ。
ANA
2020年2月29日搭乗分までの中国本土空港発着路線において、1月28日までにANAで発券(成田~武漢線は1月21日発券分まで)した航空券(航空券番号が205で始まる)においては、2020年3月31日までの期間内で1回のみの搭乗日変更もしくは手数料なしでの払い戻しが可能となっている。
インターネット上での手続きは不可で、ANA国際線予約・案内センター(0570-029-333)での対応となる。払い戻しについては、旅行開始日(開始していない場合は発券日)から1年と30日以内の連絡によって可能となる。
JAL
2020年2月29日搭乗分までの北京、上海、広州、大連、天津、香港、瀋陽、南京、杭州、煙台、青島、福州、厦門、深セン、武漢、重慶、西安、成都、昆明を発着するJAL運航便(中国東方航空・中国南方航空・厦門航空・上海航空・キャセイパシフィック・ドラゴン航空が運航するコードシェア便の発着空港を含む)発着便で、1月27日までにJALで発券した航空券(航空券番号が131で始まる)においては、2020年4月20日までの期間内で1回のみの搭乗日変更もしくは手数料なしでの払い戻しが可能となっている。
インターネット上での手続きは不可で、JAL国際線お問い合わせ窓口(0570-025-031※JALマイレージバンク会員は0570-025-103)での対応となる。払い戻しについては、旅行開始日(開始していない場合は発券日)から1年と30日以内の連絡によって可能となる。
スプリング・ジャパン(春秋航空日本)
2020年1月24日午前1時以前に入金済みの有効なスプリング・ジャパン中国線全便の航空券が対象(搭乗期間の制限なし)で手数料なしでの払い戻しが可能となっている。スプリング・ジャパンのコールセンター(0570-666-118)での対応となる。
その他にも、LCCのピーチが羽田と関西、ジェットスター・ジャパンが成田から上海路線を運航しているが、1月29日現在、特別対応を行っているという表記はホームページ上ではないが、ネット上の書き込みを見ると両社共にコールセンターで個別対応を行っており、無料での払い戻しに対応しているようだ。
なお、中国の航空会社(中国国際航空、中国東方航空、中国南方航空など)については、ほとんどの航空会社が無料での変更やキャンセル料なしでの払い戻しに対応している。
本来払い戻し不可の片道利用済み航空券の払い戻しも可能
既に購入済みの航空券で、中国から一時的に帰国している場合や頻繁に中国と行き来している人などで中国発日本行きの往復航空券を購入し、既に片道分を利用しているケースもある。
筆者自身も片道使用済みのANAで購入した上海発東京行きの往復航空券を持っており、1月28日出発で上海へ飛ぶ予定があったが、出発を見合わせることにし、1月26日にANAの予約センターに問い合わせたところ、未搭乗分の片道分の運賃及び燃油サーチャージ、空港税などの諸経費が払い戻された。
既に中国行きの航空券を持っている場合で延期や中止を検討する場合には、各航空会社及び購入した旅行会社に問い合わせするのがいいだろう。