ビッグウェーブに乗るしかない!中小企業も「どうする家康」でお土産開発
今日・1月8日からNHK大河ドラマの新作『どうする家康』(日曜午後8時)がスタート。誰もが知る戦国~江戸時代の英傑・徳川家康公をテーマにしたドラマで、家康公役を嵐の松本潤さん(39)が演じると話題です。
家康公は1542年、三河(愛知県東部)の小国・岡崎城主である松平広忠の長男として誕生。生誕の街・岡崎市や、20代後半から過ごした浜松市、大御所として隠居生活を過ごした静岡市でも大河ドラマ館が1月下旬以降順次オープンするなど、本作を契機に観光中心とした地域振興につなげようとしています。
またシンクタンクの試算では、愛知県内にもたらす経済効果はおよそ393億円にのぼる見通しだとのこと。
家康公が生まれた街・岡崎市では単体で、70億円もの経済効果を見込んでいるとのこと。岡崎市では「家康」と呼び捨てするとたしなめられ、「家康公」と呼ぶようにと語る人々も多く思い入れもさすがのもの。
岡崎市役所は、大河ドラマ放送決定後の21年4月「『どうする家康』活用推進室」を設置し、観光振興やお土産開発をすすめています。
1月21日には岡崎城の大規模改装や、岡崎城近くの資料館内に大河ドラマ館を開館するなど、観光客を取り組もうと余念がありません。あわせて「観光みやげ店 おかざき屋」を開設し、地域の特産品を販売していこうとすすめています。
地元特産の八丁味噌や石材製品などはもちろん、様々な業種があの手この手で商品開発をし、大河ドラマ「どうする家康」のビッグウエーブに乗っかっていこうと試行錯誤しています。
地元で人気のおうどん屋さん「大正庵釜春」では、家康公がうどん大好きだったというエピソードをヒントにお土産品を開発。図書館で江戸時代の文献「駿府記」を紐解き、実際に家康公が作らせたといううどんを再現。健康オタクだったといわれる家康公は、消化の良いうどんを柔らかく煮て、体を冷やさないようにと生姜をたっぷり加えて食べたとのこと。全粒粉にしょうがをたっぷりと練り込み、家康好みのうどんを現在風に再現。誕生した「家康公が愛したうどん」は岡崎市の「プレミアムみやげ品」に認定され、郵便局カタログギフトの採用されるなど、すでに人気商品となっています。
また、コーヒーの焙煎工房や印刷会社もひらめきと工夫で、お土産商戦に参入です。
コーヒー焙煎工房「樹の香」(このか)では、コーヒーの焙煎技術を強みに、三英傑それぞれの特徴をイメージした「三英傑カップオンブレンドコーヒー」セットをお土産用に開発。岡田准一さんが演じる織田信長をイメージした信長ブレンドは迫力のある深煎り。ムロツヨシさん演じる豊臣秀吉をイメージした秀吉ブレンドは、身軽で人当たりの良い軽めの味わい。そして、家康ブレンドは天下泰平を実現した大らかなでマイルドな人柄をイメージした味わいとのこと。味)をイメージした焙煎・ブレンドを実現。
街の印刷会社、永田印刷所は倹約家として有名な家康公のエピソードから商品開発。印刷の際にでる残紙(印刷後に残った紙…裁断後の余白部分や、余裕を持って確保し使用されなかったものなど)を使ってメモ帳「ZANSHI NOTE きれは紙 天下統一ブロックメモ」を開発。
家康公は、懐紙1枚が風に飛ばされたときにも拾いに行き、1枚も無駄にせず、その大事さも家来に語ったとのエピソードも残るほど。家康公のもったいない精神は、いま風に言えばSDGsでもあります。
こうした取り組みは、私がチーフコーディネーターを務めるオカビズでもサポートしてきました。お土産開発は通常の物販とは異なる特性が、いくつかあります。遠方から来た観光客は、まずは見た目にインパクトが大事。されゆえに、パッケージがとても重要となります。
そして観光客にとっては「せっかくこの地域に来たからこそ買いたい!」と思える商品かどうかが重要です。
その地域の特産品であればもちろん注目が集まるでしょう。
岡崎市であれば、八丁味噌(岡崎城から西に八丁(約900メートル)行った八丁町のまるや・カクキューの二社が江戸時代から2年の木桶での熟成を経て製造する豆味噌です)ははずせません。
しかし、そうでなくてもこのビッグウェーブをとらえ、乗っかっていける可能性はあるはず。
地域性を感じるようなエピソードや、地元産の素材や原料を用いることも重要です。また、今回であれば、徳川家康公や松本潤さん(推し色は紫ですよね)にちなんだ商品も、観光客には魅力に映るかもしれません。
市場のトレンドや世間の興味にアンテナを高め、ビッグウェーブがあれば適切に乗っかっていく。そうやってビジネスチャンスを掴んでいくことも、地域の中小企業やお店にも求められています。