Yahoo!ニュース

NY金8日:小幅安、株高とドル安の強弱材料が交錯

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NY金8日:小幅安、株高とドル安の強弱材料が交錯

COMEX金12月限 前日比0.40ドル安

始値 1,123.00ドル

高値 1,126.00ドル

安値 1,114.70ドル

終値 1,121.00ドル

決め手となる材料が見当たらない中、前日終値を挟んでの小動きに終始した。

4日に発表された8月米雇用統計に関しては、一応は早期利上げを支持する内容と評価されており、金価格に対してはネガティブ。ただ、これを手掛かりに大きく売り込むような動きまでは見られなかった。為替は再びドル安方向に振れたこともあり、ニューヨークタイムは逆に安値是正の動きが優勢になった。

本日は世界的に株高傾向が目立ち、日本株以外は全面高と評しても問題がない状況に。こうした中で再び金相場を押し上げていく原動力は乏しかったが、なお先行き不透明感が強い中で大きく売り込むような動きもみられなかった。やや戻り売り優勢の地合で下値は切り下がっているが、テーマ設定に迷っている印象が強い。

決め手難の状態に陥っているが、8月米雇用統計で利上げ期待をつないだこと、世界的に株価急落に一定の歯止めが掛かりつつあること、原油など商品市況の戻り歩調が一服していることなどを考慮すれば、金相場は上値の重い展開を強いられる可能性が高い。金相場の本格上昇が許容できない相場環境という基軸部分に変化は見られない。なお株価が不安定な値動きを見せていることが警戒されるが、金融市場が適度の落ち着きを取り戻していけば、1,100ドルの節目は割り込む方向性が予測される。

画像
マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

小菅努の最近の記事