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「ひっぱりだこのお猪口」1日100個限定販売とワインに合う駅弁新発売

小林しのぶ駅弁の女王 風土ジャーナリスト フードアナリスト

 4月10日は駅弁の日。

 1993年(平成5年)に一般社団法人日本鉄道構内営業中央会が制定したもので、弁当の「弁」の字が数字の4と漢数字の十を合わせたように見えること、また弁当の「とう」から4月10日になったとのこと。

 駅弁の文化、おいしさを広くPRすることが目的のひとつでもあり、毎年4月10日は調製元が新作駅弁を発表したり、ターミナル駅で駅弁イベントを開催してきたが、今年は例年のイベントはほとんど非開催。駅弁ファンとしてはサビシイ限りである。

 しかし、呑兵衛には楽しい話題も。

てのひらサイズの可愛い猪口(淡路屋提供)
てのひらサイズの可愛い猪口(淡路屋提供)

 ひとつめは、駅弁を模した猪口ができた話題。4月7日、神戸市の淡路屋が、西明石駅の名物駅弁「ひっぱりだこ飯」をモチーフにした「ひっぱりだこのお猪口」を発売した。

「ひっぱりだこ飯」はタコ漁に使用するタコ壺風の陶器にマダコやアナゴ、野菜、たこ焼きなどを盛り込んだ西明石駅の人気駅弁で、淡路屋を代表する駅弁のひとつ。このタコ壺容器をそのまま小さくした猪口は実にユニークで可愛く、なんといっても全国で唯一無二。食卓にこんな猪口があったら会話も弾む。”マイ猪口”としてカバンに入れ、持ち歩くことも大いにオススメする。

 1個500円、オンラインストア限定販売。1日100個限定で、総数約5000個の販売を予定。

■淡路屋 https://www.awajiya.co.jp/

9分割に小分けされたおつまみはワインにピッタリ(丸政提供)
9分割に小分けされたおつまみはワインにピッタリ(丸政提供)

 ふたつめは、ワインに合うつまみが多種類詰め込まれた駅弁「ワインのめし」がこの春新発売されたこと。

山梨県は日本におけるワイン造りの発祥の地であり、ワイナリー数も80余軒と日本一を誇る。以前からワインにちなんだ駅弁がほしいと思っていたが、小淵沢駅の調製元・丸政がワインが飲みたくなる駅弁を開発した。甲斐サーモンのマリネや甲州ほうとうグラタン、きのこと小海老のアヒージョ、甲州フジザクラポークのかつサンドなどなど洋食つまみ、デザートが9種類。旅の友として車内で食べるだけでなく、自宅でひとりワインパーティーをするなら、この駅弁を広げれば準備完了だ。

 駅弁名の「ワインのめし」は”ワインのつまみ”と”ワイン飲めし(飲んでいきなさい)”という甲州弁を掛けたもの。1日70食前後、小淵沢駅、甲府駅、東京駅で販売中。

■丸政 http://www.genkikai.org/marumasatop

駅弁の女王 風土ジャーナリスト フードアナリスト

「食」「郷土」にまつわる風俗・民俗・文化を中心に取材活動を続ける。駅弁の食べ歩きは30年以上に及び、食べた駅弁の数が5000を超えることから“駅弁の女王”と呼ばれる。調製元との駅弁開発、プロデュースも手がける。 新聞、雑誌、ウエブ等に連載多数。■著書 「日本が誇る 絶品の食遺産」(天夢人) 「全国美味駅弁 決定版」(JTBパブリッシング) 「超いまうまい帖」(ぶんぶん書房) 「どんぶりこ」(交通新聞社) 「技アリつまみ」(JTBパブリッシング) 「日本駅弁大全」(文藝春秋)(台湾書跡)ほか多数

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