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NY金6日:米雇用統計前の買い戻しで反発

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

COMEX金8月限 前日比4.50ドル高

始値 1,084.00ドル

高値 1,093.10ドル

安値 1,082.90ドル

終値 1,089.80ドル

明日に7月米雇用統計の発表を控える中、イベントリスクから短期筋のショートカバーが先行して反発した。

新規手掛かりに乏しい中、アジア・欧州タイムは総じて1,084~1,087ドルのレンジで揉み合う展開になった。引き続き短期的な下げ過ぎ感が下値をサポートする一方、米利上げに対する警戒感が上値を強力に圧迫しており、明確な方向性を打ち出せていない。7月24日の1,072.30ドルをボトムに、その後は安値更新に失敗している。こうした中、本日はニューヨークタイムに入ってからショートカバーが膨らみ、小幅ながらプラスサイドに切り返している。雇用統計強めの内容になれば一気に9月利上げの可能性を織り込む必要性に迫られるが、5日に発表されたADP雇用統計がそれ程強い内容にならなかったこともあり、売りポジションの当面の利益を確定して様子を見たいとのスタンスに傾いた向きが多かった模様。

7月雇用統計の市場予測は、非農業部門就業者数が前月比+22.5万人(前月は+22.3万人)、失業率は5.3%(同5.3%)となっている。他に労働参加率や平均時給などの数値も注目されるが、必ずしも悪い数値が予想されている訳ではない。ただ、ADP雇用統計の民間雇用者数は+18.5万人(前月は+22.9万人、市場予測は+21.5万人)に留まっていたこともあり、弱めの数値が短期的な下げ過ぎ感解消につながるリスクが警戒された模様だ。

もっとも、利上げの流れを阻害するレベルのネガティブな数値は想定しづらく、金相場の戻り売り基調には変化がないと考えている。なお自律反発的な動きで1,100ドル台を回復する可能性も想定しておく必要があるものの、今回の雇用統計に関しては瞬間的な戻り圧力の有無との視点で十分と考えている。日柄調整は着実に進んでいる一方、引き続き現物市場からのサポートは弱く、なお戻り売り優勢の地合を想定しておきたい。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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