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今年の立春寒波はだらだらと長期滞在型?さらなる積雪増に要注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
住宅街での雪下ろし(写真:イメージマート)

北陸以北で顕著な多雪傾向

積雪の状況(気象庁発表に筆者加工あり)
積雪の状況(気象庁発表に筆者加工あり)

1月下旬は西日本で寒気の流れ込みが弱まり、九州や四国を中心に寒さの和らいだ所も多くなりましたが、北陸以北は引き続き、寒気の影響を受けやすく、顕著な多雪傾向も続いています。

上図は気象庁が発表している日最深積雪やその平年比を表したもので、おととい1月31日の様子をみてみると、青森県の酸ヶ湯で434センチに達するなど、北日本の4地点で1月としては最も多くの積雪を観測しました。

また平年比をみても、北陸の内陸から北日本にかけては黄色やオレンジ色の平年より多くの雪が積もっている地域が多く、平年の2倍以上を示す赤い地点も多く見られる状況です。

そして今後もだらだらと流れ込む立春寒波の影響もあり、少なくとも来週の週明けにかけて、まだかなり多くの雪が降り積もる可能性が大きいとみられます。

立春寒波はだらだらと

上空の寒気の予想(ウェザーマップ)
上空の寒気の予想(ウェザーマップ)

あさって4日(金)は暦の上で春を迎える立春です。よく立春頃にやってくる寒波を立春寒波と呼ぶことが多いのですが、この立春寒波、その年によって強烈であったり、弱かったり、長期滞在型であったり、一過性であったりとけっこう性格が異なるものです。

今年やってくる立春寒波はだらだらと長期滞在型になりそうです。

上空1500メートル付近の寒気の予想をみると、あさって立春には東日本や西日本に真冬の目安となる-6度以下の寒気が流れ込み、5日(土)、6日(日)に-9度以下のラインも南下し、ピークとなった後、7日(月)にかけてもまだ居座る状況が続く見込みです。

寒気の強さとしては、記録的に強いというほどではありませんが、平年よりは5度前後低く、かなり強い寒気であることに間違いはありません。

今年の立春寒波はだらだらと長く続きそうなのが特徴ですが、さらに立春寒波が抜けた後も、一気に気温が上向くという感じではなさそうです。

さらなる積雪増に要注意

72時間の予想降雪量(ウェザーマップ)
72時間の予想降雪量(ウェザーマップ)

ひとまず、週末5日(土)正午までの72時間の予想降雪量をみてみると、北陸周辺で最も多くなっており、新潟県内の山沿いでは100センチ以上の計算も見受けられます。

さらに6日(日)から週明けにかけても雪は降り続くため、北陸や北日本の積雪はまだまだ増えることになるでしょう。さらなる積雪増に要注意です。

また上述した青森県の酸ヶ湯では過去に500センチ以上の積雪を何度か記録していますが、最も早かった500センチ到達は2013年2月21日の515センチで、2月の500センチ超えはこの一度だけとなっています。もしかしたら今年は観測史上最も早く500センチに到達するかもしれません。

引き続き、雪の多い地方では、屋根からの落雪、除雪中の事故、なだれ、大雪や吹雪による交通障害などに注意、警戒が必要です。

だらだらと寒い東京都心

東京都心の予想最高気温(ウェザーマップ)
東京都心の予想最高気温(ウェザーマップ)

東京都心は激寒というわけではないのですが、最高気温が10度前後の真冬らしい寒さが続いています

この先の予想最高気温をみても、総じて10度前後で、特に立春寒波の影響が大きい今週末は8度程度のかなり厳しい寒さとなるでしょう。

後半の予想幅はやや大きいものの、注目している初15度以上の暖かさは、いまのところ、再来週にかけても登場しない予想となっています。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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