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【南アルプス市】温故知新〜南アルプス市の今を知りたければここへ来るべし〜

おがわひでいち地域情報発信ライター/写真家(南アルプス市など)

セミの鳴き声が音量最大で暑さが最高潮に感じる一日でした。そんな日は冷房が効いて時間が潰せる面白い施設に逃げ込むに限る。と言うわけで、今回はすっかりお馴染みの「南アルプス市ふるさと文化伝承館」にお邪魔してきました。

木陰にいても逃れられない暑さでした。

以前ご紹介しました企画展「南アルプス山麓の古代牧」絶賛開催中です!

しかし、今回は2階の展示室「足元に眠る 旧石器〜縄文時代」を改めてご紹介です。出入り口には、マスコットキャラ「子宝の女神 ラヴィ」さんがお出迎え。

壁に沿って、市内の遺跡から発掘された様々な土器が展示されていて圧巻です。とても見やすいように工夫されています。

ショーケースにも様々な出土品が展示されています。

本来、博物館として建てられていない建物のようですが、とても考えて工夫して展示されています。

充実した展示を更に際立たせるのが「円錐形土偶〜子宝の女神 ラヴィ」です。こちらは市内の鋳物師屋遺跡から発掘された土偶です。海外への貸し出しも多く考古学ファンからの人気も高い有名人(土偶)。

目の前に縄文人が作った本物がある事実。誰が何のために、どんな想いで、どんな表情で作っていたのでしょうか?想像することしかできないのが歯痒くも気持ち良い時間です。

背面。ホント展示が素敵。

右側面。

左側面。

底面まで!あらゆる角度で観察できます!

こちらも同じく鋳物師屋遺跡から発掘された「人体紋様付有孔鍔付土器〜ぴーす」愛嬌のある人体文様がゆるキャラ感ありませんか?

ホント、縄文人の感性の豊かさに脱帽です。

鋳物師屋遺跡の出土品のショーケース。

小さな土偶の頭。愛嬌満点。

こちらも鋳物師屋遺跡から発掘された土器達。

国の重要文化財が沢山あります。あり過ぎてそれが当たり前のようになっていますが、多分本当は凄いことだと思います。

芸術性が高い。見ていて飽きないです。

ここまで展示物を揃えるには時間と労力が半端ないでしょう。

土器や土偶の他にも、黒曜石や

タイ(鯛)の椎骨まで!?内陸の地域にあると言うことは、当時から交易があったということになる。と考えると、また果てしなく想像が膨らみます。

因みに、ミュージアムショップも何気に充実していまして、お土産に良さそうな商品が沢山ありますので、見学のついでにいかがでしょうか?

伝承館の帰り道。実際の鋳物師屋遺跡に立ち寄ってみました。現在は櫛形工業団地となっています。

交差点の一角のフェンスに看板があります。当時の様子は知ることができませんが、ぐるりと周囲を見渡して当時の様子に思いを馳せるのもまた楽しい時間でした。

地元の博物館として考古学的な展示ばかりと思われるかもしれませんが、そこにある物達は今我々が生活している足元から出土したものであって、時代こそ違えど同じ空間を共有していると考えても良いのでははいでしょうか?古くは駿信往還、現在では中部横断道、有名な大型商業施設の建設が始まる場所にも、多数の遺跡や遺物が発見されています。今も昔も交通・交易・文化の要衝として栄えた歴史があります。それは決して偶然ではなく理由があってのことだと思います。昔を知ることで今を知ることができる。「南アルプス市ふるさと文化伝承館」があるからこそできる体験です。

現在、文化財化の方々はご多忙のようで、なかなか施設でお話を伺うのは難しいかもしれませんが、伝承館スタッフの皆様が丁寧にわかりやすく解説してくださるので、ぜひ暑さを逃れて遠い昔に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

【南アルプス市ふるさと文化伝承館】

住所:山梨県南アルプス市野牛島2727

開館時間: 9:30〜16:30

入館無料

休館日:毎週木曜日(この日が祝日の場合は翌日休館)年末年始

問合せ:TEL 055-282-7408 FAX 055-285-7113

公式サイト

地域情報発信ライター/写真家(南アルプス市など)

本業の傍ら写真家としても活動しています。南アルプス市を中心に、北杜市、韮崎市、西八代郡(市川三郷町)、南巨摩郡(富士川町、早川町、身延町、南部町)を担当しています。地元の皆さんが「出かけたい」「誇りに思う」と言えるような、また他の地域の人からも注目してもらえる記事をお届けできるように頑張ります。

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