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プロ野球開幕!! 史上初など今シーズン達成されそうな記録とは

横尾弘一野球ジャーナリスト
開幕戦で一発を放った村上宗隆は、今季27本塁打で清原和博氏の最速ペースを上回る。(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 3月30日にエスコンフィールドの北海道日本ハム×東北楽天で、他の5球場は翌31日に、今シーズンもプロ野球のペナントレースが開幕した。感動の嵐だったワールド・ベースボール・クラシックの熱を持ったまま、大いに盛り上がることを期待したいが、そんな中で、どの選手のどんな通算記録が達成間近になっているのか紹介しよう。

 超一流選手の証と言われる2000安打に、最も近いのは中島宏之(巨人)。残り77に迫っているが、昨年は24、一昨年も49で、どれくらい出場機会があるかがカギになりそうだ。一方、レギュラーとして活躍を続け、巨人との開幕戦で3安打した大島洋平(中日)は残り115。3年目以降は最低でも124安打をマークしているので、ケガなどがなければクリアするはずだ。青木宣親(東京ヤクルト)は、日本通算2000安打まで126だ。

 野球の華・ホームランは、現役最多の中村剛也(埼玉西武)が454。歴代8人しかいない500の超大台までは46で、今年で40歳という年齢を考えればユニフォームを脱ぐまでに何とか達成できればという数字か。2番目は松田宣浩(巨人)の301で、こちらも節目の350は来季以降になりそう。ただ、300なら中田 翔(巨人)が残り12、山田哲人(東京ヤクルト)が残り29と達成圏内にいる。そして、昨年の三冠王で、広島との開幕戦でも第1打席に会心の先制2ランアーチを描いた村上宗隆(東京ヤクルト)は、40本打てば通算200本塁打をクリアする。また、27本塁打で清原和博氏(元・オリックス)が持つ6年目最多の186も上回る。

 勝負強さを示す打点は、過去47人が達成している1000まで、浅村栄斗(東北楽天)と中島宏之が残り6、松田宣浩も残り9。残り56の坂本勇人(巨人)までは達成可能だろう。そして、盗塁の現役最多は西川遥輝(東北楽天)の330で、350まで残り20。今宮健太(福岡ソフトバンク)は350犠打まで残り4である。

投手部門では前人未到の記録も

 投手部門では、43歳のシーズンに臨む石川雅規(東京ヤクルト)が200勝まで残り17。最近3年間で12勝、自己最多も13勝だが、ファンのひとりとして希望を持ちたい。平野佳寿(オリックス)の250セーブも残り37と微妙。ただ、二人ともリーグ連覇のチームゆえにチャンスは広がっている。200セーブなら松井裕樹(東北楽天)が残り3、益田直也(千葉ロッテ)も残り18で達成圏内。また、宮西尚生(北海道日本)は前人未到の400ホールドまで残り20。こちらは、コンディションが万全ならクリアしてくれるはずだ。

宮西尚生が通算400ホールドを達成すれば、プロ野球史上初の偉業だ。
宮西尚生が通算400ホールドを達成すれば、プロ野球史上初の偉業だ。写真:YUTAKA/アフロスポーツ

 17年目のベテラン・岸 孝之(東北楽天)は、2000奪三振まで残り4。実は、この記録は過去に22人しか達成していない価値がある。ちなみに、涌井秀章(中日)も残り91で、先発としてフル回転すれば届く数字だろう。

 こうした通算記録をはじめ、村上宗隆が2年連続の三冠王、あるいは自身の56本塁打をクリアしてウラジミール・バレンティン(元・福岡ソフトバンク)の60本塁打に迫れるか。ノーヒットノーランやサイクル安打など瞬発的な記録はどれくらい達成されるかなど、ペナント争いとともに注目選手のパフォーマンスも楽しみだ。

野球ジャーナリスト

1965年、東京生まれ。立教大学卒業後、出版社勤務を経て、99年よりフリーランスに。社会人野球情報誌『グランドスラム』で日本代表や国際大会の取材を続けるほか、数多くの野球関連媒体での執筆活動および媒体の発行に携わる。“野球とともに生きる”がモットー。著書に、『落合戦記』『四番、ピッチャー、背番号1』『都市対抗野球に明日はあるか』『第1回選択希望選手』(すべてダイヤモンド社刊)など。

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