【市川市】万葉の道と真間の継ぎ橋 大門通り万葉散歩 ~市川~真間~
JR総武線市川駅の北口。ロータリーを超えて国道14号線を左に行くと大門通りがあります。
万葉の道と呼ばれる真間山弘法寺の参道にあたる1キロメートルほどまっすぐにのびるこの道。自動車1台が通れるほどの幅の左右には飲食店やベーカリー、生活用品など様々な商店が立ち並んでいます。
概略ですが、かつてこの辺りには真間の手児奈(てこな)という万葉集に歌われた美女がおり、その噂は、周囲だけでなく役人や旅人までも広まったといわれています。そのため手児奈を求め争いが絶えず、それを想った手児奈は海に身を投げてしまったという言い伝えが残ります。
その手児奈を詠んだ歌もあり遠い昔からこの地が歌に詠まれたことがわかります。
大門通りを歩き真間川の入江橋を越えると、小さな短い赤い橋があります。「真間の継ぎ橋」と呼ばれるこのとても短い橋は、詠み人知らずではありますが
「足(あ)の音せず行かむ駒もが葛飾の 真間の継ぎ橋やまず通わむ」
の歌で、当時の都びとまで知られたものだそうです。
継ぎ橋の横にはその手児奈を祀った手児奈霊堂があり、その先には弘法寺があります。大門通り沿いには、市川の書家による万葉の歌のパネルが随所にあり、山部赤人、山上憶良、額田王など学校でも習った万葉歌人の作品が掲示されています。
奈良の都と千葉県。今でも距離のある位置にあってその当時のネットワークに驚かされます。1月だけに、万葉集編纂者である大友家持の万葉集の最後歌で締めくくり
新しき年の初めの初春の 今日降る雪のいやしけ吉事(よごと)
降り積もる雪のように今年もいいコトがたくさん積もりますように。
今年は万葉集を読み返してみませんか?
【大門通り(万葉の道)】
住所:市川市市川1丁目