漏れ出したリブゴルフの契約書の草案。驚愕の契約条件に目が点!
リブゴルフが選手たちと交わすために準備した契約書のドラフト(草案)の一部が米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」によって報じられ、米国から世界へと猛スピードで拡散されつつある。
契約書のドラフトは、リブゴルフにとってはトップシークレットに値するほどの高度な極秘事項のはず。その一部が報じられたこの事態は、リブゴルフを率いるグレッグ・ノーマンや上層部にとっては、まさに非常事態である。
とはいえ、あくまでもドラフト(草案)ゆえ、「実際に契約を交わしたと見られているフィル・ミケルソンやダスティン・ジョンソンらの契約書の中に、今回報じられた内容や項目がすべて含まれているかどうかは不明だ」と米ゴルフウィーク誌は見ている。
リブゴルフはトップスターたちと契約を交わすにあたり、契約金としてミケルソンには2億ドル(約272億円)、ジョンソンには1億5000ドル(約136億円)をすでに支払ったとされており、そうした契約金に関する記述も今回のドラフトの中には見当たらないそうだ。
しかし、このドラフトを見ることで、リブゴルフが契約選手に対して何を期待し、どうやってそれらを実現しようとしているかという彼らの基本姿勢を伺い知ることは十分にできる。
さて、その内容だが、まず「メジャー大会で優勝した選手には、100万ドル(約1億3600万円)が贈られる」とされている。もちろん、リブゴルフ選手が来年以降、メジャー4大会に出場できるかどうかは今なお不明だが、このドラフトは出場できることを前提にして作成されているのだろう。
仰天させられたのは、この項目。「リブゴルフの選手は、リブゴルフの(ロゴ入りの)アパレル(ウエア等)を着なければならない(全英オープンにおけるパトリック・リードのように)」という記述だ。
確かに、リードは今年7月の全英オープンの際、セント・アンドリュースには不似合いな派手な「LIV」のロゴマークが目立つ格好だった。あの装いがリブゴルフ契約選手たちの試合における「統一ファッション」になることが契約書に盛り込まれているとしたら、私はそこに恐怖さえ感じてしまう。なぜなら、ファッションを選ぶ権利、楽しむ自由が奪われてしまいそうだし、選手のアパレル契約に関しても大きな制約になりかねないからだ。
そして、驚かされる項目は、まだまだ続いていた。
「選手は(リブゴルフの)許可なしにインタビューに答えることは許されない」
「選手は、他選手をリブゴルフへリクルートするための手助けをするべき」
「選手は、コーヒーマグ(コーヒーカップ)に至るまで、大会で使用する物品のロゴマークやブランドに関して、(リブゴルフからの)許可を得なければならない」
リブゴルフを率いるグレッグ・ノーマンはPGAツアーが独占的・独裁的であると批難し、リブゴルフへ移籍した選手たちも「これでようやく人間らしい生活ができる」「自由が得られる」と口を揃えた。
今回報じられた内容・項目が、どこまで彼らの契約書に実際に記されているのかは不明だが、リブゴルフに流れる基本姿勢に「自由」は本当にあるのだろうかと首を傾げさせられているのは、早々に移籍して喜びの声を上げていた選手たちではないだろうか。
彼らの喜びが「ぬか喜び」にならないことを祈るばかりだ。