DVの心理学:加護亜依さんへのDV容疑で夫を逮捕の報道から考える:すてきな夫婦恋人になるために
■加護亜依さんへのDV容疑で夫を逮捕
直接の容疑は5/12の暴行ですが、DV(ドメスティック・バイオレンス)と報道されているということは、日常的に乱暴な言動もあったのしょうか。身体的暴力は傷害罪になりますが、心理的暴力も犯罪です。
■DV(ドメスティック・バイオレンス)とは
DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、夫婦や恋人間の暴力のことですが、その暴力には様々な形があります。
身体的暴力は、殴る蹴るといった暴力。
経済的暴力は、金遣いが荒かったり、生活費を与えないなどの乱暴。
社会的隔離は、電話や外出の制限など。
心理的暴力は、厳しすぎる監視、暴言、恫喝、脅し、侮辱、無視などのひどい言動。
性的暴力は、性交の強要や性的侮辱などです。
昔であれば、夫が妻を殴ったり、侮辱することは当然視する人もいましたが、現在ではりっぱな犯罪です。未婚の恋人間の暴力もデートDVと言われます。DVは、パートナーを力によって支配する行為です。DVが社会問題化する中、DV防止法が2001年に施行されていました。
男女間暴力に関する2015年発表の内閣府調査によれば、女性の4人に1人が被害経験者です。10人に1人は何度も受けています。さらに被害者の1割が命の危険を感じたと答えています。それなのに、被害者の中の誰かに相談した人は、5割だけでした。
男性も16%が被害経験者で、その7割が誰にも相談していません。
警察発表によれば、昨年平成26年には、DVは59,072 件発生しています(警察の認知件数)。
■DVと心の問題:加護亜依さんの場合は?
夫婦恋人間の暴力、DVは、複雑な心理があります。社会心理学的には、人間関係の病(歪み)です。5/27の別報道によると、加護さんはトラブル続きの夫と一度離婚の意志を発表した後、復縁し、仲良く歩いている姿が目撃されています。
そして今度は、加護亜依さんが夫の暴力を警察に通報しています。
今回の被害者の加護亜依さんを責めているのではありません。誰であれ、DV被害者の心は揺れます。
一般にDVは、暴力のある爆発期、やさしいハネムーン期、張り詰めた緊張期のサイクルを繰り返します。殴られた後にやさしくされることなどを繰り返されると、人の心は支配され逃げられなくなります。
さらに、容疑が事実で二人の間に暴力があったとすれば、加護さんだけでなく幼い娘の心も傷ついています。有名人のDV報道は、社会的影響も大きいでしょう。正しい裁判とケアが行われることが、社会全体にとっても大切なことだと思います。
■すてきな夫婦恋人になるために
暴力をふるう男性の中には、歪んだ男性役割意識を持つ人もいます。男がいばって、女を支配して当然だと思っています。あるいは、心の底に強い不安があって、その結果として激しい嫉妬心を燃やす場合もあります。また、自分がこんなに怒って暴力を振るうのも、みんなあの女のせいだと、しばしば責任転嫁をします。
被害者女性のほうも、たとえば過剰な責任感によって、私がいなくなったらあの男はダメになると思い、離婚できない人もいます。暴力さえ振るわなければ良い人だと、自分自身の行動を納得させようとすることもあります。
でも、こんな人間関係は歪んでいます。勇気を持って離れることも必要です。
暴力後の「ハネムーン期」のやさしさも、本当のやさしさではありません。
「DV男にとって、女性は物です。自分の愛車のようなものです。~その自動車のような女性が、思いどおりにならないと、男性はブチキレて、暴力をふるいます。~ところが我に返ると、自分の大切な「物」が傷ついています。彼は、あわてて車の修理をするように、女性に優しくし、手当てをするのです。」(「力と支配から愛と信頼へ:幸せな恋人・夫婦になるための心理学」:Yahoo!ニュース個人有料:碓井真史)
暴力で支配される関係ではなく、お互いに健康な心を持って、愛と信頼の関係を作って行きましょう。