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【京都市中京区】新選組 鬼の副長・土方歳三が拷問に使った蔵が期間限定の特別公開

くまライター(京都市)

京都の坊城通を四条通から南にくだり、京福嵐山本線(嵐電)の線路をこえると、そこは新選組ゆかりの場所が密集するまさに聖地。その中の一つ「旧前川邸」は、現在は個人のお宅となっているため見学はできませんが、「第48回 京の夏の旅」の開催に合わせて、土方歳三古高俊太郎を拷問した東の蔵が特別に公開されています。

坊城通を南に望む。この線路を越えると…

旧前川邸。

八木邸。

新徳寺。

壬生寺と、新選組ゆかりの場所が密集しています。まさに聖地。

旧前川邸

前川家は壬生郷士の一軒で、その邸宅が1863年からの約2年間、新選組の屯所(宿所)として使われました。「八木家」とともに新選組の屯所として使われた貴重な建物が今も残っています。

古高俊太郎の拷問が行われた東の蔵

旧前川邸の東の蔵は、「池田屋事件」のきっかけとされる土方歳三による古高俊太郎への拷問が行われたと伝えられる場所です。

古高俊太郎は近江出身の攘夷派の志士で、諸大名や公家の屋敷に出入りし、諜報と武器調達にあたっていました。その動きに気づいた新選組は古高を捕らえ、土方の拷問によって攘夷派によるクーデターの計画を自白させます。

この計画を阻止するため、新選組は池田屋に集まっていた志士たちを襲撃し、壊滅させます。これが有名な「池田屋事件」で、京都の町を守った新選組の名は天下に鳴り響きました。

この東の蔵は通常は非公開ですが、「新選組結成160年 & 世界遺産」をテーマに行われる「第48回 京の夏の旅」の開催により、期間限定で特別公開されています。

東の蔵は2階の床の一部が開くようになっており、荷物昇降用の縄が梁から吊るされています。古高は2階から逆さ吊りにされ、凄惨な拷問を受けたとされています。ここがその場所だと思うと、なんだか背中がぞくぞくしました。

山南敬介の切腹

旧前川邸は、新選組の副長や総長をつとめた山南敬助が切腹した場所でもあります。
山南は近藤や土方と対立するようになり、新選組を脱走。連れ戻されて前川邸において切腹しました。なお、山南が切腹したと伝えられる仏間のある母屋部分は見学できません。

旧前川邸の内部は個人宅のため見学できませんが、土曜・日曜・祝日の10:00〜17:00のみ、玄関がお店として解放され、新選組グッズや旧前川邸グッズの販売が行われます。
ここは新選組隊士たちが行き来した当時の勝手口であり、当時の面影を偲ぶことができますよ。

旧前川邸
京都市中京区壬生賀陽御所町49

新選組グッズ・旧前川邸グッズの販売
営業日/土・日曜、祝日
営業時間/10:00〜17:00

Webサイトはこちら

第48回 京の夏の旅(旧前川邸 東の蔵)
開催期間/2023年7月8日(土)〜9月30日(土)
拝観時間/9:00~16:30(16:00受付終了)
拝観料/大人800円・小学生400円
Webサイトはこちら

ライター(京都市)

大阪生まれの大阪育ち、京都在住のライター・DTPデザイナー・イラストレーターです。京都の情報誌を経てフリーランスになりました。よろしゅうおたのもうします。

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