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NY原油9日:米国株安、在庫増加見通しで急落

小菅努マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト
(写真:アフロ)

NYMEX原油10月限 前日比1.79ドル安

始値 45.79ドル

高値 46.26ドル

安値 44.09ドル

終値 44.15ドル

米国株の軟化を受けて、期近主導で下落した。

アジア・欧州タイムは45ドル台中盤から46ドル台前半で底固い展開になったが、ニューヨークタイム入り後に地合を悪化させ、マイナスサイドに沈んでいる。序盤の米国株は買い優勢の展開になったが、その後はマイナスサイドに沈んだことが嫌気され、原油相場も戻り売り優勢の展開に。45ドル割れでテクニカル主導の売りも膨らみ、下げ幅を拡大した。引き続き、株価動向を眺めながらの不安定な地合になっており、ボラタイルながらも決め手を欠いている。

米週間需給統計は月曜日がLabor Dayだった影響で発表が1日遅れているが、在庫積み増しが報告されるとの見方もネガティブに。季節要因から製油所稼働率が引き下げられやすく、米国内需給の緩和状態が再確認されることに対する警戒感が強い。

米エネルギー情報局(EIA)は、2015年の米産油量見通しを前月の日量936万バレルから922万バレルまで引き下げた。8月の産油量が前月から日量14万バレル減少するなど、原油相場急落で伸び悩んでいることを反映したもの。ただ、これによって国際需給の緩みを解消できるとの期待感を盛り上げていくことは難しく、マーケットの反応は限定された。

目先は株価次第の不安定な相場展開になり易いが、需給面からの支援がみられない状況に変化は生じていない。なお、株価が主導権を握った相場展開になっているが、需給リバランスの必要性がこれによって薄れた訳ではなく、今後は株価動向のインパクトが限定される動きと連動して、徐々に戻り売り優勢の地合に回帰する可能性が高い。

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マーケットエッジ株式会社代表取締役/商品アナリスト

1976年千葉県生まれ。筑波大学社会学類卒。商品先物会社の営業本部、ニューヨーク事務所駐在、調査部門責任者を経て、2016年にマーケットエッジ株式会社を設立、代表に就任。金融機関、商社、事業法人、メディア向けのレポート配信、講演、執筆などを行う。商品アナリスト。コモディティレポートの配信、寄稿、講演等のお問合せは、下記Official Siteより。

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