【京都市西京区】酒呑童子伝承残る古社で5年ぶり子ども神輿に80人超 宮司さんは著名なあの人です!
樫原(かたぎはら)は、山陰街道と物集女街道(西国街道)とが交差する交通の要衝でかつては宿場町として繁栄をしていました。京都市内で唯一の本陣跡や明智光秀の伝承を始め、歴史ロマン溢れる地域で、京都市の「界わい景観整備地区」にも指定されています。
その樫原地区の総鎮守、旧村社になる「樫原三ノ宮神社」の祭神は、武勇の神とされる素戔嗚尊(すさのおのみこと)、酒の神の酒解神(さけとけのかみ)、山の神とされる大山咋神(おおやまくいのかみ)の3神を祀っています。その古社で2024年5月5日、5年ぶりとなる子ども神輿の渡御が行われていました。地域の24自治会の子どもたち80人超が参加して神輿を担いで練り歩き。わっしょいわっしょいと元気な声が樫原の旧街道などに響き渡りました。
両親と一緒に参加したみゆうさん、みことさん、みるさんの三姉妹と友人のはなさんも初めて神輿を担ぎました。一番年下のみるさんは、「長く歩いたので重たかったし、しんどかったけどほんとに楽しかった」と明るく話してくださいました。
「樫原三ノ宮神社」の創建、変遷の詳細は不明ですが、この地に樫木の森があり、一帯は樫原と呼ばれていました。「かつて、洛西の大枝山に棲みつき、入洛する旅人に追いはぎを行っていたとされる鬼の頭領の酒呑童子が源頼光とその配下の渡辺綱たちに太刀で首を切断されて打倒された」との平安時代の伝承が残る古社です。
江戸時代、5代将軍・徳川綱吉が社殿を寄進し、徳川葵の家紋を許されました。幕末の1853年に平安京最後の孝明天皇が、攘夷祈願のため社の造営をはかりました。以来、神紋は菊華紋、徳川葵紋の両方を掲げています。拝殿の天井には京都の人気絵描きユニット「だるま商店」の作になる「酒呑童子の鬼」、「禁門の変」、「素戔嗚尊」の絵が描かれています。
さて、神輿の鳳輦(ほうれん)に遷移される神々の神事を行っていた宮司さんの名前を拝見して驚きました。NHK大河ドラマで幕末から維新が放映される際には、時代考証で名前が掲載される木村幸比古(75歳)さんです。幕末維新ミュージアム霊山歴史館の学芸員、副館長などを歴任し、今も学術アドバイザーとして、「新選組外伝」などメディアでの執筆を始め、多数の著作で知られる幕末維新史研究の第一人者です。
文部大臣表彰を受賞した木村宮司は、全日本剣道連盟の居合道範士八段の達人でもあり、高知県観光特使も務められています。その縁もあって、神楽殿の天井には、土佐藩初代藩主山内一豊が描かれた扁額が飾られています。
小さいけれど魅力がいっぱいの「樫原三ノ宮神社」と樫原界わい景観整備地区に訪れてみてください。いろいろグルメもありますよ!
「樫原三ノ宮神社」京都市西京区樫原杉原町12−1 075-381-5230
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