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KDDIのahamo対抗2480円プラン「povo」のカラクリ

石川温ケータイ/スマホジャーナリスト
筆者作成。1月14日のNTTドコモ発表を受けて、一部修正しました。

 KDDIは1月13日、NTTドコモ「ahamo(アハモ)」に対抗した新料金プランを発表した。20GB・月額2480円で3月より提供開始する。他社よりも見た目の値段を500円下げる勝負に出た。

 KDDIの新しい料金プランは「povo(ポヴォ)」という名称となる。ahamoやソフトバンク「SoftBank on LINE」同様にオンライン限定で申し込める。

 povoは月額2480円でahamoやSoftBank on LINEよりも月額500円安い。ただし、ここには「カラクリ」が存在する。ahamoとSoftBank on LINEは2980円に「1回5分まで国内音声通話かけ放題」が含まれているが、povoには含まれていない。povoユーザーで1回5分まで国内音声通話かけ放題が必要なユーザーは、月額500円のトッピングをつける必要がある。 

 つまり、データ容量20GBで1回5分まで国内音声通話かけ放題という内容で3社の新料金プランを比較すると、どれも月額2980円の3社横並びになるというわけだ。

 ただ、1回5分のかけ放題がいらないユーザーとすれば、他社と比べて500円安く済む。

 povoの最大の特徴は「トッピング」という考え方だ。

 月額2480円で20GBというシンプルな料金設定に加えて、自分に必要なサービスを自在にネットで追加、いわゆるトッピングしていくことができる。

 例えば「1回5分まで国内音声通話かけ放題が欲しい」のであれば、月額500円でトッピングすればいいし、「週末、旅行に行くので、できればデータを使い放題にしたい」というのであれば、200円を支払うと24時間、データ通信が使い放題になるというわけだ。

 ピザやカレーのように、ベースとなる料理に、自分の好きな具材を自由にトッピングする感覚に近い。

 このような料金プランは、すでに海外の携帯電話会社で提供されていたりする。タイにある携帯電話会社では、YouTubeやFacebookなどに接続する際のデータ容量が安価になるトッピングをユーザーが選んで購入できるといった仕組みを採用している。

 KDDIでも、こうしたユーザーのニーズに合わせて、自在にデータ容量などをトッピングできる世界観を目指していくようだ。

 NTTドコモ、ソフトバンクに続き、KDDIも3000円を切るプランを提供してきた。果たして、先行していた2社が2480円に対抗値下げをしてくるのか。注目といえそうだ。

ケータイ/スマホジャーナリスト

日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、日経TRENDY編集記者としてケータイ業界などを取材し、2003年に独立。現在は国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップル、海外メーカーなども取材する。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。ニコニコチャンネルでメルマガ「スマホ業界新聞」を配信。近著に『これからの5Gビジネス』(エムディーエムコーポレーション刊)がある。

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