安倍首相、総理主催の夕食会に同性婚パートナーを招待!(しかし、国賓レベルの外国首脳が対象)
安倍晋三首相は11月28日の衆議院予算委員会で、同性婚をしている外国首脳への対応に関し、「パートナーとして来日された場合は首相主催の夕食会はお越しいただければと考えている」と述べました。
これは自民党の竹下亘総務会長が11月23日に「(国賓の)パートナーが同性だった場合、どう対応するのか。私は(出席に)反対だ。日本国の伝統に合わないと思う」と発言したことで、日本政府として性的少数者の外国首脳らがパートナーを伴う場合にどう対応するかが焦点になっていました。
(24日に竹下氏は「反省している。言わなきゃ良かった」と述べ、上記発言を事実上撤回した)
また、河野太郎外相は12月の天皇誕生日のレセプションや外務省の賓客への対応について「法律婚、事実婚、あるいは同性、異性にかかわらず配偶者、またはパートナーとして接遇するように(事務方に)指示した」と明らかにしています。
今回の竹下氏の発言には正直びっくりしましたが、日本政府が「法律婚、事実婚、あるいは同性、異性にかかわらず配偶者、またはパートナーとして接遇する」といった対応を明らかにしたので安心しました。
しかし、これはあくまでも国賓レベルの外国首脳の同性婚を認める内容であって、日本で同性婚を認めることとは全く無関係ということはとても残念です。(といっても、外国首脳の同性婚すら否定的な方もいるみたいですが・・)
2015年2月18日の参議院本会議において、松田公太参議院議員(当時)が同性カップルの婚姻を容認する観点から憲法24条の改正を検討するよう提起したのに対して、安倍首相は「わが国の家庭の在り方の根幹に関わる問題であり、極めて慎重な検討を要する」と述べ、否定的な見解を示しています。
東京都渋谷区などが同性カップルに対して証明書を発行する条例を決めるといった性的少数者の権利を保障する動きが出てきています。一方で、憲法24条は婚姻を「両性の合意のみに基づいて成立」すると規定しており、同条を改正しなければ同性婚の容認は困難との指摘があります。
安倍首相が「わが国の家庭の在り方の根幹に関わる問題であり、極めて慎重な検討を要する」と答弁しているように、これからは憲法の議論だけではなく「家庭の在り方」に関する議論も同時に行っていくことが必要です。
つまり法律的に同性婚が可能かどうかという技術論の話だけではなく、そもそも「なぜ同性婚が必要なのか」という根っこの議論ができていません。
また、つい先日にはサイボウズ株式会社の青野慶久社長が日本人と外国人との結婚では同姓か別姓かを選べるのに、日本人同士の結婚だと選択できないのは「法の下の平等」を定めた憲法に反するとして国を提訴するというニュースもありました。
同性婚、夫婦別姓のどちらも「日本国の伝統に合わない」の一言で切り捨てられてしまう今の日本の現状はとても遅れているとしか思えません。2015年2月に安倍首相が「極めて慎重な検討を要する」と述べてから全く検討は進んでいません。一刻も早く「家庭の在り方」に関する国民的な議論が進むことを願っています。